ブラジル農牧研究公社、湿気に強く栄養価の高い新型石灰を開発

2026年 06月 1日

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ブラジル農牧研究公社は植え付け前の土壌改良時の損失を抑え、経済性を高める新型の石灰を開発した (写真:Valter Campanato/Agência Brasil)

ブラジル農牧研究公社(Embrapa/エンブラッパ)は、植え付け前の土壌改良時の損失を抑え、経済性を高める新型の石灰を開発した。土壌の酸性(pH)を矯正するための改良型石灰製剤の開発は、作物の生産性向上に寄与するという。

連邦直轄区にあるエンブラッパ遺伝資源・バイオテクノロジー研究所ナノバイオテクノロジー研究室(LNANO)が改良したこの石灰は、ナノ技術を用いて顆粒化した製品であり、高エネルギー粉砕によって原料をナノスケールまで微細化し、粒子を凝集させて機械的強度と均一性の高い顆粒を形成する手法で製造されている。

その結果、石灰は粉末ではなく顆粒状となり、風による飛散を受けやすい粉末に代わり、粒の大きさを選んで散布することができる。さらに、新型石灰は貯蔵や輸送時の湿気に対して従来品より耐性が高く、湿気によって固化して農機具で使用できなくなるといった生産者の損失を減らす利点がある。

LNANOの研究者らは、石灰を単なる土壌酸度矯正剤から多機能製品へと転換させた。新配合による石灰は栄養性を持つ複合肥料となり、牧草地や綿花、コーヒー、サトウキビ、トウモロコシ、大豆などの作物で使用可能だとしている。

<多様な作物への利用>

「我々は、さまざまな濃度で多数の試作を行い、実際に多様な作物に対応できるようにしました。また、この石灰の比率を変えて組み合わせることも可能でした」と、エンブラッパのナノバイオテクノロジー研究者である生物学者ルシアーノ・パウリーノ・ダ・シウヴァ氏は述べた。

新配合の新型石灰では、土壌矯正用のカルシウムまたはマグネシウムを豊富に含む石灰に、窒素、リン酸、カリウム、ホウ素、銅、亜鉛といった栄養素を加えることが可能になる。

「ある作物は特定の栄養素を多く必要とし、別の作物は少量でよい。作物ごとに最適な組成があるのです」(ルシアーノ氏)

またルシアーノ氏は、新型石灰が作物をより健全で生産的にすると期待している。

「酸性矯正を行い、微量栄養素や主要栄養素を製品に添加する主な目的は、生産性を高めることであり、植物自体の健全性を向上させることで、その作物に対する利益をもたらします」(ルシアーノ氏)

ナノ構造化されたこの石灰は、栽培地での農薬散布量を減らす可能性がある。ただし、害虫ごとに、農薬使用の低減を保証するための追加試験が必要だという。研究者らは、植物が適切な栄養を得られていれば、生育を妨げる要因に対してより強く保護される可能性があると指摘する。

「人間の場合と同じように、栄養状態が良ければ免疫系がより強くなる傾向があります」(LNANOの研究者アンドレ・フェリペ・カマラ・アマラウ)

新型石灰は既に実験室規模(10g)から工業規模(トン単位)まで異なる規模で生産され、「農学的効果」は大豆と小麦の栽培地で測定された。

エンブラッパが作成した技術報告書は、「プロトタイプは適切な中和能力を維持しており、生産性向上と栽培地での負担軽減の可能性を示している」と記している。

エンブラッパ外での試験は、ゴイアス州とトカンチンス州に拠点を持つ石灰鉱業を専門とするブラジル企業ペリカウ(Perical)の主導で行われている。同社は3年以上前にエンブラッパと技術協力協定を結び、研究者の雇用、機器の購入、消耗品の費用負担などを通じてナノ構造化石灰の開発を支援してきた。

エンブラッパはブラジル農業・畜産省(Mapa)に属する国営研究機関で、1973年の設立以来、農業・畜産向けの技術やイノベーションの研究開発を行っている。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)