得点ランキング首位に並ぶハーランドが“カハスコ(天敵)”に。ブラジル、W杯から姿を消す
2026年 07月 6日
7月5日(日本時間7月6日)は、ブラジルのサポーターが“カレンダーから消したい”と願う日となった。1982年スペイン大会でのパオロ・ロッシ率いるイタリアに敗れた“トラウマの日”に加え、今年からは“6度目の優勝への夢が早々に潰えた日”として刻まれることになった。新たな記憶は、米国ニュージャージー州で行われたラウンド16、ノルウェーに1対2で敗れた試合となった。
この敗戦により、ブラジルは2つの不名誉なジンクスを更新することになった。まず、2002年日韓大会決勝(横浜)でドイツを2対0で下して以来、24年間にわたりW杯の決勝トーナメントで欧州勢を一度も破れていない。また、ノルウェーはブラジルが歴史上いまだ勝利したことのない唯一の国であり、その戦績は3敗2分となった。
北欧代表の大黒柱、アーリング・ハーランドは今回も決定的な存在だった。前ラウンドでコートジボワールを破る決勝点を挙げたストライカーは、この試合でも後半に2得点を記録。これで大会通算7得点となり、フランスのキリアン・エムバペ、アルゼンチンのリオネル・メッシと並び、得点ランキング首位に立った。
6大会連続で決勝トーナメントのいずれかのラウンドで敗退したブラジルは、1990年大会以来となるW杯での最低成績となった。当時もラウンド16でディエゴ・マラドーナ率いるアルゼンチンに敗れている。2030年大会まで、ブラジルは1958年スウェーデン大会で初優勝して以来最長となる“28年間無冠”の期間を迎えることになる。
ノルウェーの準々決勝の相手は、同じ日曜夜に決まる。ブラジリア時間21時、日本時間 7月6日(月)9時 に、メキシコがイングランドとアステカスタジアムで対戦する。勝者は次の土曜(11日)18時(ブラジリア時間)=日本時間 7月12日(日)6時 に、米国マイアミでノルウェーと対戦する。
<幾多もの機会を生かせず>
アンチェロッティ監督は、前日の土曜(4日)の記者会見で示唆していたとおり、左太もものハムストリングを負傷して離脱したルーカス・パケタの代役として、ガブリエウ・マルチネッリを起用した。
ノルウェー側では、ステーレ・ソルバッケン監督が前ラウンド(コートジボワールに2対1で勝利)から1名を入れ替えた。負傷から回復したユリアン・ライエルソンが右サイドバックに復帰し、マルクス・ペデルセンが外れた。
試合開始直後、ノルウェーは主導権を握り、ブラジルのサポーターを早々にヒヤリとさせた。2分、アレクサンダー・セルロートがマルティン・ウーデゴールのパスを受け、左サイドでドウグラス・サントスの背後を突いた。セルロートは低いクロスを送り、パトリック・ベルグが押し込んだが、セルロートのオフサイドで得点は取り消された。
押し込まれたブラジルだったが、9分に反撃した。ガブリエウ・マルチネッリがマテウス・クーニャをエリア内で走らせ、背番号9はクリストッフェル・アイエルに倒された。主審イスマイル・エルファスはVARで確認した上でPKを宣告。ブルーノ・ギマランイスが蹴ったが、力のないミドルシュートはGKオルヤン・ニランに阻まれた。
ノルウェーはパスをつないでブラジル守備の隙を探り、ブラジルは特に両サイドのスペースを締めて空中戦を警戒しつつ、速いカウンターを狙った。23分、マテウス・クーニャがゴールへ向かって疾走。左にはフリーのヴィニシウス・ジュニオールがいたが、背番号9はパスではなくドリブルを選択し、ボールを失った。
30分、ガブリエウ・マルチネッリが左サイド深くでヴィニシウス・ジュニオールからのパスを受け、ライエルソンの背後を取ってシュート。ニランが足で防ぎ、右サイドにこぼれたボールをハイアンがダニーロへ流したが、ダニーロはシュートを空振りした。
40分にはブラジルが再び決定機を逃した。ヴィニシウス・ジュニオールがノルウェーのビルドアップを奪い、ガブリエウ・マルチネッリとワンツーを交わして強烈なシュート。しかし、これもニランがセーブした。
ブラジルは相手を脅かす場面を作りながらも、攻撃の立ち上がりを急ぎすぎてミスを誘発し、ノルウェーに守備が整う前の状態で再び攻撃を組み立てられる場面を許した。
<ハーランドが決定的役割>
後半に入っても前半と同じ展開が続き、アンチェロッティ監督は動いた。マテウス・クーニャに代えてエンドリッキを投入。13分、投入からわずか1分後、ヴィニシウス・ジュニオールのカウンターから抜け出しエリアに侵入したが、タイミングが合わず、GKと1対1の場面でのシュートは右へ外れた。
16分には再びブラジルが迫った。ガブリエウ・マガリャンイスのヘディングでの落としを受けたハイアンがエリア内からシュートしたが、ニランが防いだ。続く攻撃でもニランが立ちはだかった。ハイアンが再び頭でそらし、ブルーノ・ギマランイスがほぼPKスポット付近からフィニッシュしたが、GKが好セーブ。もっとも、このプレーはオフサイドで取り消された。
22分、左サイドからのクロスにハーランドが飛び込み、ブラジルを脅かした直後、アンチェロッティ監督は待望のネイマール投入に踏み切った。背番号10はハイアンと交代した。さらに、試合前から先発候補とされていたダニーロ・サントスもピッチへ。ガブリエウ・マルチネッリと交代した。33分には最後の交代として、ブルーノ・ギマランイスに代わりエデルソンが入った。
度重なる決定機逸は代償を伴った。34分、エデルソン投入直後、後半から起用されたソルバッケン監督の“切り札”アンドレアス・シェルデルップがダニーロをかわし、クロスを供給。ハーランドがガブリエウ・マガリャンイスとの空中戦を制し、ヘディングでネットを揺らした。
さらに追い打ちをかけるように、44分、ノルウェーのスターは再び決めた。カウンターからハーランドが自ら仕掛け、鋭いグラウンダーのシュートを左隅へ突き刺した。
後半アディショナルタイム、ブラジルは最後の望みをつないだ。カゼミーロがレオ・オースティガードの肘打ちを受け、PKを獲得。ネイマールがこれを決め、彼にとって“おそらく最後のW杯ゴール”となった。
しかし、夢見た6度目の世界制覇は2030年へ持ち越された。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




