マウロ・ヴィエイラ外相、米国は追加関税交渉で「無条件の全面開放を要求した」

2026年 07月 17日

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ブラジル外務省のマウロ・ヴィエイラ大臣は、米国は関税交渉において「米国に対してのみ、ブラジル経済の複数の部門を完全かつ無制限に開放するよう求め、ブラジル製品に対する見返りは一切提示されなかった」と語った(写真:Valter Campanato/Agência Brasil)

ブラジルのマウロ・ヴィエイラ外相は、米国がブラジル製品への追加関税をめぐる交渉の過程で、ブラジル市場の全面的な開放を求め、ブラジル政府に「降伏(capitulação)」を迫ったと述べた。

ヴィエイラ外相は16日(木)、報道向けの声明で、米国政府はブラジルが「過度な要求や不合理な条件に屈しなかったことに不満を示している」と語った。

「例として挙げるなら、米国に対してのみ、ブラジル経済の複数の部門を完全かつ無制限に開放するよう求め、ブラジル製品に対する見返りは一切提示されなかった。言い換えれば、彼らは降伏を要求していた」と外相は述べた。

前日、米国政府はブラジルの一部製品に対し25%の追加関税を発表し、その理由としてブラジルによる「不公正な」貿易慣行を挙げた。ブラジル政府はこの説明を全面的に否定している。

<ヴィエイラ外相、ルビオ氏に反論>

声明の中でヴィエイラ外相は、マルコ・ルビオ米国務長官がSNSで投稿した内容にも反論した。ルビオ氏は、ブラジルと米国の合意が成立しなかったのは「ルーラ大統領のエゴ」が原因だと主張していた。

「ルビオ氏の言う“エゴ”とは、『ブラジルの主権と、企業や労働者の利益を守る』というルーラ大統領の揺るぎない信念にほかならない」と外相は反論した。

さらにヴィエイラ外相は、ルビオ氏がブラジル側の交渉努力について虚偽の主張を行い、「友好国の国家元首を粗野かつ傲慢な形で攻撃している」と批判した。

外相は、2025年3月以降に行われた米国との交渉の経緯を振り返り、対面・オンライン・電話を含め30回以上の協議が行われたと説明した。

「米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表およびマルコ・ルビオ氏とは、両国首脳会談を含め11回の接触があった」と付け加えた。

<政治的動機>

ブラジル政府は、トランプ政権がブラジルに対して関税強化をちらつかせてきた背景には政治的動機があると主張してきた。専門家らは、米国がブラジルに対し望む政治的同調が得られなかったため、圧力をかける意図があると分析している。

ヴィエイラ氏は今回の声明で、ブラジルに対する関税措置には「いかなる正当性も存在しない」と改めて強調した。

外相は、2025年7月にブラジルへ50%の関税が課された際も、背景には「ブラジル司法への政治的介入の試み」があったと指摘した。当時、ブラジルではジャイール・ボウソナーロ元大統領によるクーデター未遂事件の裁判が進行していた。

ヴィエイラ氏によれば、2025年1月8日のクーデター未遂事件に関する裁判の文脈で、トランプ氏はUSTRに対し、米国通商法301条に基づくブラジルへの調査開始を求めたという。

「繰り返すが、過去15年間で米国はブラジルとの財・サービス取引で4,240億ドルの黒字を積み上げている。2025年には、米国からブラジルへの輸入品の76%が関税ゼロでブラジルに入っており、米国の主要輸出品10品目のうち8品目が無税だった」と外相は述べた。

ヴィエイラ氏は、政治的動機があったにもかかわらず、ブラジルは関税発動を回避するための合意形成に向けて交渉を続けてきたと強調した。「したがって、今回の関税適用には合理性がない」と述べた。

<Pixと違法破壊>

米国が調査対象としている項目の一つであるPixについて、外相は「全く根拠がない」と反論した。

「Pixはブラジル中央銀行が構築した公共の決済インフラであり、国内で活動するすべての金融機関が利用できる。Pixが不公正な競争を生んでいるという米国の主張には、まったく根拠がない」と述べた。

さらにヴィエイラ氏は、ブラジルの違法伐採に関する米国の主張も事実に基づいていないと指摘した。

「2022年以降、アマゾンとセラードの森林破壊は大幅に減少している。米国が関税適用の理由として挙げているすべての主張は、現実に根拠を持たない」と締めくくった。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)