ブラジル・ミナス料理とポルトガルを結ぶ絆を祝うフェスティバル、チラデンチス市で開催

2026年 09月 2日

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チラデンチス市(ミナスジェライス州)、8月29日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」。レストラン「バール・ド・ゼゼー」のヴィトール・ジョゼー・マルチンス・シェフは、看板料理 「トヘズモ・ド・ホーロ(皮付き豚バラ肉のロール揚げ)」を紹介した(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

【チラデンチス(ミナスジェライス州) 9月1日 】 ミナスジェライス州の歴史都市チラデンチスで先週日曜日(30日)に閉幕した第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」には、10日間で約7万人が来場した。

訪れた人々、料理人、地元生産者らは、ライブクッキング、講演、体験型スペースを通じて技術を学び、経験を共有した。

2026年に開催された歴史と文化、味の祭典のテーマは 「ミナス・ルジタニア」。ブラジルのミナスジェライス州の料理に根付いたポルトガル由来の食材、技法、習慣、そして調理様式が、どのように形成されてきたかを示す“文化の架け橋”として企画された。

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チラデンチス市(ミナスジェライス州)、8月30日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」が開催されたチラデンチス市の歴史地区には主に18世紀に造られた「ポルトガル・コロニアル建築(植民地時代様式)」の街並みがみられる(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

ガストロノミー・キュレーターのフスチー・マルセリーニ氏は、自身のポルトガルでの旅を通じて、ミナス料理とポルトガル料理の間にある数々の類似点に気づいたと語る。マルセリーニ氏にとってフェスティバルとは本来、食文化を観客に伝え、料理人同士の技術・食材交流を促す場であるべきだという。

「ポルトガルとミナスジェライス州には非常に強い共通性があります。人々はその事実をあまり意識していません。裏庭の畑文化、豚の文化、たとえば『レイタォン・ア・プルルッカ』のような料理。アレンテージョ地方でも豚文化やシャルキュトリーが非常に盛んです」と語った。

イベントを主催するファルトゥーラ・ブラジルは、2018年からポルトガルでも活動を展開している。ガストロノミーの遠征調査、リスボンでの「フェスティバル・ファルトゥーラ」ポルトガル版の開催、さらにはリスボンやポルトで開催されるワインイベント「Essência do Vinho」への参加などの活動を行っている。

2027年に予定される第30回「チラデンチス・フェスティバル」のテーマはまだ決まっていないが、フスチー氏は、長年イベントに関わってきた人々を称賛したいと話す。

「ヨーロッパから少し離れて、私たち自身のルーツに立ち返り、ラテンアメリカをテーマとして取り上げるのもいいかもしれません。大きな祝祭になるでしょう。これはブラジルで最も長く続くガストロノミー・フェスティバルです。チラデンチスでの成功をきっかけに、同じ形式のフェスティバルがブラジル各地で生まれました。このイベントは他のフェスティバルをも刺激しているのです」

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チラデンチス市(ミナスジェライス州)、8月30日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」でホニー・ペテルソン・シェフは「料理チャンレンジ」の参加者に「ガリニャーダ(鶏肉の炊き込み料理)」の作り方をレクチャーした(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

<シェフ同士の交流や料理コンペティション>

チラデンチス市の中心広場ラルゴ・ダス・フォハスには、ミナスジェライス州商業・サービス・観光業連盟(Fecomércio MG)が主宰する「知識の広場」と「インタラクティブ広場」が設けられ、多くの来場者で賑わった。なかでも人気を集めたのが、シェフがその場で調理する料理を参加者が同じように再現するコンペティション「料理チャレンジ」だった。参加者は実演を通じて多様な技法を学び、上位3名が表彰された。

日曜日(30日)には、全国商業職業訓練機関(Senac)ミナスジェライス州支部所属で、ベロオリゾンチ市を拠点に活動するホニー・ペテルソン・シェフが「ガリニャーダ(鶏肉の炊き込み料理)」を紹介した。ホニー氏は、Senac の料理学生だった第1回からフェスティバルに参加してきたと語る。

「私自身、このイベントで成長し、学ぶ機会を得てきました。私の職業人生の大きな一部を占めています。他のシェフと出会い、新しい技術を知り、互いに交換し合える場です。料理人が集まり、ガストロノミーの最良を共有する大きな会議のようなもの。私は常に学び続けています」(ホニー・ペテルソン・シェフ)

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チラデンチス市(ミナスジェライス州)、8月30日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」でホニー・ペテルソン・シェフは「料理チャンレンジ」の参加者に「ガリニャーダ(鶏肉の炊き込み料理)」の作り方をレクチャーした(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

この日のコンペティションで1位となったのは、リオデジャネイロ州山間部のテレゾーポリスで料理に携わる58歳のゾライジ・サントス氏。彼女はチラデンチスのフェスティバルに5年間参加しているという。

「新しい知識を求め続けることはとても大切です。毎回、生活を楽にしてくれる新しい技法を学べます」(ゾライジ・サントス氏)

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チラデンチス市(ミナスジェライス州)、8月29日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」の「ライブキッチン」でジュジュ・ゲーハ・シェフが、鴨肉、燻製ソーセージ、カシャッサ、トへズモ(皮付き豚バラ肉揚げ)を使った「ミナス風リゾーニ」を披露した(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

また、ラヴラス大学でガストロノミーを教え、レシピコンテンツのクリエイターとしても活動するジュジュ・ゲーハ・シェフは、シェフがリアルタイムで調理しながら技法や背景を共有する「ライブキッチン」に登場。土曜日(29日)には、鴨肉、燻製ソーセージ、カシャッサ、トへズモ(皮付き豚バラ肉揚げ)を使った「ミナス風リゾーニ」を披露した。

ジュジュ・シェフは学生時代からフェスティバルに通っていたが、シェフとして招かれたのは昨年が初めてだったという。

「料理人なら誰もがここに来たいと思う場所です。人とつながり、経験やアイデアを交換できるからです」(ジュジュ・ゲーハ・シェフ)

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チラデンチス市(ミナスジェライス州)、8月29日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」。会場に並ぶブラジル各地のレストランの屋台(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

イベントでは、レストランの屋台も並んだ。ベロオリゾンチ市バヘイロ地区の「バール・ド・ゼゼー」は、看板料理である 「トヘズモ・ド・ホーロ(皮付き豚バラ肉のロール揚げ)」を提供した。ヴィトール・ジョゼー・マルチンス・シェフによると、注文に応えるために豚バラ肉を1トン持ち込んだという。同店はもともと雑貨店として始まり、1999年に家族経営のレストランへと転じた。

「(イベントは)新たな交流が生まれ、技術を学び、何が求められているのかが分かります。屋台で隣同士になった『イリョッチ』のスタッフとは、来年は海産物とトヘズモを組み合わせた新しい料理を作ろうと話しました。海の幸と山の幸を融合させる試みです」(ヴィトール・ジョゼー・マルチンス氏)

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チラデンチス市(ミナスジェライス州)、8月29日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」。レストラン「バール・ド・ゼゼー」のヴィトール・ジョゼー・マルチンス・シェフは、看板料理 「トヘズモ・ド・ホーロ(皮付き豚バラ肉のロール揚げ)」を紹介した(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

美しいビーチがあることでも知られるリオデジャネイロ州マカエー市にあるレストラン「イリョッチ・スウ」のハファエウ・ピリス・シェフは、フェスティバル創設者ハウフ・ジュスチーノ氏の息子で、10歳の頃からこのイベントに通い、料理教室に参加するのが好きだったという。

「フェスティバルと料理の世界を体験しながら成長し、やがて Senac で料理を学ぶようになりました。その後は、授業を担当したり、屋台での提供に関わったり、著名シェフを支援したりしていました。今回は初体験の立場でフェスティバルに戻ってきました」(ハファエウ・ピリス・シェフ)

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チラデンチス市(ミナスジェライス州)、8月30日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」でリオデジャネイロ州マカエー市にあるレストラン「イリョッチ・スウ」のハファエウ・ピリス・シェフは海老など海の幸の料理を提供した(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

ハファエウ・シェフは今回、約1トンの海産物を持ち込み、3,000食を提供した。メニューの中でも特に人気だったのは、タコとロメスコソースを詰めたポン・ジ・ケージョだった。

「ここは新しい料理人や新しい潮流に出会える交流の場です」(ハファエウ・ピリス・シェフ)

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プラードス市(ミナスジェライス州)、8月29日。第29回「文化とガストロノミー・フェスティバル」の一環として、ワイナリー「ヴィニコラ・トリンダージ」(写真)で、国連世界観光機関と連携して作成された「アメリカ大陸ワインルート・ガイド」が発表された(写真:Fernando Frazão/Agência Brasil)

<エノツーリズムの紹介>

チラデンチス市の隣、プラードス市にあるワイナリー「ヴィニコラ・トリンダージ」では、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイのワインルートとワイナリーを紹介するガイドが紹介された。このガイドブックの出版は国連世界観光機関が推進しており、エノツーリズム(ワイン観光)の可視化を目的としている。

世界観光機関アメリカ地域事務所の投資ディレクター、ダニエウ・ネポムセノ氏によると、ブラジルの民間企業は同分野に200億レアルを投資しているという。

「すでに市場に存在する観光体験をすべてカタログ化し、観光客がエノツーリズムに投資している事業者を認識できるようにしました。ブラジルを世界のワインルートに位置づけるための取り組みです」と述べた。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)