店舗襲撃や脅迫など、“宗教的不寛容による犯罪”がブラジルで増加

2026年 10月 4日

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アフロ・ブラジル系宗教と、先住民の宇宙観、カルデック主義の心霊主義、民間カトリックの要素が混淆したブラジル固有の宗教「ウンバンダ」で信仰される霊的存在ゼー・ペリントラ(写真:Tânia Rêgo/Agência Brasil)

【サンパウロ 10月2日 20:52】 「再開したら、全員死ぬ」。セアラー州フォルタレーザ市中心部にあるカトリック系宗教用品店の扉に貼られた張り紙には、同店が火炎瓶による襲撃を受けた夜、こう書かれていた。

攻撃は9月9日未明に発生した。

同じ夜、フォルタレーザ市内では、他にも2つのカトリック系店舗と、1つのウンバンダ系店舗の外壁が放火される被害が確認された(注:ウンバンダ アフリカに起源を持つ自然宗教・哲学・認識論体系である「カンドンブレー」などアフロ・ブラジル系宗教と、先住民の宇宙観、カルデック主義の心霊主義、民間カトリックの要素が混淆したブラジル固有の宗教)。

現在、これらの事件は同州文民警察が捜査している。

翌日、フォルタレーザ都市圏カウカイアにあるサン・ジョゼー・オペラリオ教会のジョジレウド・ケイロス神父は、SNSで今回の出来事について言及した。

「私たちは、我が国が『世俗国家』であることを理解しなければなりません。つまり、特定の国教は存在しないのです。無神論国家でもない。多くの宗教があり、多様な信仰表現があります。今回フォルタレーザで起きたこと、そしてブラジル各地で起きていることは、“宗教的不寛容による犯罪”と呼ばれるものです」

フォルタレーザ市で起きた攻撃は、カトリックの象徴物を狙った唯一の攻撃事例ではない。

前日のパラナ州ロンドリーナ市では、宗教用品店前に設置されていた聖母アパレシーダ像の頭部が引きちぎられた。

その2日後、バイーア州サウヴァドール市では聖母メダイの像が破壊され、22日には同じくサルヴァドールで、ブラジル初の聖人である「貧者の聖人」ドゥーシ修道女の像が破壊された。

9月30日、連邦最高裁(STF)のフラヴィオ・ジノ判事は、国内でカトリック系宗教像への攻撃が広がっている可能性があるとして、連邦警察(PF)に捜査を指示した。

これらの不寛容事例は、聖母アパレシーダの「ブラジルの守護聖人としての称号」をめぐる
選挙戦での論争が始まる前から発生している。

<宗教的不寛容の通報件数>

人権通報窓口「Disque 100」のデータによると、2026年上半期(1〜6月)だけで、信仰の自由や宗教的不寛容に関連する違反を含む通報は1,252件に上った。

さらに、カトリックだけが主な標的というわけではない。

カンドンブレーやウンバンダの信者は、IBGE(ブラジル地理統計院)の国勢調査によれば、
人口の約1%に過ぎないにもかかわらず、歴史的に宗教的不寛容の主要な被害者とされている。
今年1〜6月の通報は270件で、2025年同期(192件)と比べ40%以上増加した(注:カンドンブレー アフリカに起源を持つ自然宗教・哲学・認識論体系)。

カトリックに関する通報も増加しており、昨年同期の15件から34件へと100%超の増加となった。

今年1月にリオデジャネイロで開催された「宗教的不寛容対策全国週間」で、ACT Alliance(Action by Churches Together)のルデルマール・ファリア事務局長は、宗教による排除はブラジルだけに限らず、世界的な政治戦略になっていると指摘した。

「今、世界的に宗教が“排除の道具”として利用されています。複数の宗教的原理主義が結びつき、特定の集団を排除しようとする動きが強まっています。排除されるのは、非キリスト教徒、非白人、貧困層、そして政治的に利用価値が低いとみなされる人々です。最も影響を受けるのは、女性、LGBTI+、先住民族、低所得の黒人青年です。そしてこれはブラジルだけでなく、ラテンアメリカや中央アメリカでも同様です」

ACT Allianceは、140か国で活動する宗教系組織の国際連合体である。

<ブラジルにおける選挙戦での宗教論争>

直近の1週間、ブラジルの選挙戦では聖母アパレシーダをめぐる投稿がSNS上で拡散した。
発端は、フラヴィオ・ボウソナーロ候補(PL)が聖母アパレシーダの「ブラジルの守護聖人の称号」を剥奪しようとしているという投稿が拡散したことだった。

候補者は選挙裁判所(TSE)と最高裁(STF)に削除を求め、判事らは「偽情報の拡散」と「表現の自由の保護」を理由に、投稿の削除と再公開をめぐって判断が分かれた。

最終的に、TSEは投稿の大部分の削除を維持する多数意見を形成した。

<処罰>

セアラー州の公設弁護人イゴール・バヘット氏は、宗教的不寛容の犯罪に対する処罰について次のように説明する。

「重要なのは、これらの犯罪が保釈不可、恩赦不可、時効なしであるという点です。いつでも訴追可能なのです」

ブラジルでは、宗教的不寛容(実行・誘導・扇動)の罪は1〜5年の禁錮と罰金が科される。

(記事提供/Agência Brasil、協力/フォルタレーザ大学FMラジオ局マルシア・ヴィエイラ記者、構成/麻生雅人)