第39回東京国際映画祭、10月26日(月)開幕。ブラジルはアニメ2作品を出品
2026年 10月 9日
第39回東京国際映画祭が10月26日(月)から11月4日(水)の10日間、昨年に引き続き日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催される。オープニングのレッドカーペットは日比谷仲通りにて開催が予定されている。
今年の映画祭もテーマは「CONNECT―映画が繋ぐその先の世界」。期間中には204本の映画が上映される。フェスティバル・ナビゲーターは中島健人が務める。
オープニング作品は、世界中で大ヒットした「上を向いて歩こう」の誕生秘話を描いた「SUKIYAKI 上を向いて歩こう」(監督 :瀬々敬久)。中村八大を岡田准一、永六輔を松坂桃李、坂本九を仲野太賀が演じる。
1963年に発売されるや、全米のビルボードチャートで3週連続1位に輝くなど、海を越えた広く支持された「SUKIYAKI 上を向いて歩こう」。世界30カ国以上で発売されたこの曲は、ブラジルでもヒットした。
1963年当時は坂本九のレコードだけでなく、現地のポップス・グループ、トリオ・エスペランサによるポルトガル語カヴァー「Olhando para o Céu(空を仰いで)」もヒットしている。
また、中村八大は1966年10月にリオデジャネイロで開催された『第1回国際歌謡音楽祭(FIC)』国際部門に「私だけのあなた(メウ・アドラード)」(作詞:永六輔)を出品、江利チエミが出場して歌った。開会の記念演奏は、ゲスト審査員も務めたヘンリー・マンシーニが務めている。同部門の優勝はドイツのインゲ・ブリュック。江利チエミは最優秀歌唱賞、中村八大がオーケストラ編曲賞を受賞した。
1968年、中村八大は『第3回国際歌謡音楽祭(FIC)』国際部門に「さよならさよなら」(作詞:マイク真木)を出品。中村八大オーケストラをバックに、歌手として出場したのが坂本九だった。同曲は7位で入賞、中村八大は後年、同音楽祭に審査員として招かれている。
映画祭の中盤を盛り上げるセンターピース作品は、「ゴジラ-0.0」(監督:山崎貴)、閉会を飾るクロージング作品は韓国映画「コロニー」(監督:ヨン・サンホ)が決まっている。
「コンペティション部門」は15作品。プログラミング・ディレクターの市山尚三は今年の傾向として「歴史を振り返る映画がすごく多い。単に懐古的に振り返るのではなく、世界が分断しようとしている中で映画作家たちが過去の事象から現代の世界を読み解く、現代の世界の問題を考える作品が多い」と語った。
また、国際交流基金との共催により、今年から新たに東南アジア映画の特集上映を行う 「CROSSCUT ASIA+(クロスカットアジア・プラス)」部門が新設されている。
ブラジルからはアニメ2作品が出品される。
●「アマデオともうひとつの新世界(Amadeo e o Hipotético Mundo Novo)」(監督:ブレンダ・リジア、エドゥ・フェリストーキ、声の出演:セルジオ・メネゼス、ナルーナ・コスタ、エジミウソン・フィーリョ)
1830年、奴隷制下のブラジルで、若きアフリカ人、アマデオがヨーロッパ人よりも先に写真機を発明する。奴隷にされないよう身分を偽っていた彼はこの発明を使い、権力を持つ男爵の農園で拘束されている人々の解放を助ける。
その過程で、農園主の娘であり、科学と芸術に情熱を抱く理想主義的な若者リンダと親しくなり、禁じられた恋を育む。新世界を舞台にした、仮想的でロマンチック、そしてユーモアを交えた冒険譚。
10月26日(月) 16:20 シネスイッチ銀座2
10月30日(金)10:20 TOHOシネマズシャンテ2
11月3日(火)16:30 TOHOシネマズシャンテ2
●「サノバビッチ(O Filho da Puta)」(監督:エリカ・マラドーナ、オット・グエッラ、タニア・アナヤ、サヴィオ・レイチ、声の出演:ガブリエウ・マルチンス、マテウス・ナシュテルゲーレ、ゾラ・サントス)
『サノバビッチ(O Filho da Puta)』は、ミナス・ジェライス州内陸の小さな村ヴェレーダスを舞台にしている。そこには、イズマエウの母が営む有名な売春宿「カーザ・ホーザ」がある。母の仕事が理由で、若者は「サノバビッチ(売春婦の息子)」というあだ名をつけられていた。
その現実に疲れ果て、そして一度も会ったことのない父親が誰なのかを知りたいという思いに突き動かされ、イズマエウは母を残して村を出る決意をする。彼は相棒の犬バカリャウとともに旅路へと踏み出す。旅の途中、イズマエウはこれまで一度も目にしたことのない海を見つけたいという夢も抱く。
家を離れた先で、思いがけない出会いが続き、イズマエウはまさに自分が逃れようとしていた人生と向き合うことになる。
10月31日(土) 18:30 TOHOシネマズシャンテ1
11月2日(月) 11:30 TOHOシネマズシャンテ1
「ニッポン・シネマ・ナウ」では、沖縄系ブラジル移民が、自身のルーツである沖縄と向き合うドキュメンタリー作品が上映される。
●「オキナワ・サウダージ(Okinawa Saudade)」(日本/監督:松林要樹、出演:照屋セリネ由美、新城エヴェルトン、Ⓒ玄功社 配給:ノンデライコ)。
百年を超える歴史を持つ沖縄系ブラジル移民の子孫たちが里帰りし、歴史や文化に触れてゆく。沖縄のアイデンティティを彩り豊かに描いたドキュメンタリー。
10月31日(土)13:55 角川シネマ有楽町
11月2日(月) 17:30 TOHOシネマズシャンテ3
コンペティション作品ではポルトガルの作家カミロ・カステロ・ブランコの著作を原作とする「獄中の記憶」が上映される。
●「獄中の記憶(Memórias do Cárcere)」(監督:セルジオ・グラシアーノ、出演:アウバノ・ジェロニモ、マリア・ジョアン・バストス、パウロ・ピリス、アフォンソ・ピメンタウ)
19世紀ポルトガル社会を揺るがした著名な姦通裁判により、作家カミロ・カステロ・ブランコとアナ・プラシドがポルトの「ヘラサォン監獄」に収監されていた時期を軸に、カミロの姿を鮮烈かつ生き生きと描き出す作品。
そこでカミロが耳にし、そしてその尽きることのない創造力で書き記した、苦悩に満ちた人々の驚くべき物語――贋作者、尊属殺人者、幼児殺人者、さらには王までも――を収めた著書『獄中記(Memórias do Cárcere)』を原作としている。
ネウソン・ペレイラ・ドス・サントス監督による同名のブラジル映画(1984年作)とは別の作品。
10月31日(土) 18:30
11月1日(日) 16:50
11月3日(火) 14:40
サッカー映画は、コンペティション部門で「ヘイゼル85」、第23回ラテンビート映画祭 IN TIFFの上映作品として「あの試合」が上映される。
●「あの試合(The Match)」(アルゼンチン/スペイン/監督:フアン・カブラル、サンティアゴ・フランコ、出演:ゲーリー・リネカー、ホルヘ・バルダーノ、オスカル・ルジェリ)。
マラドーナの“神の手”ゴールで知られる、1986年ワールドカップのアルゼンチン対イングランド戦を多角的な視点から描くドキュメンタリー。第79回カンヌ映画祭出品作。
10月28日(水) 10:55 TOHOシネマ日比谷12
11月2日(月) 13:55 シネスイッチ銀座1
11月4日(水) 10:20 シネスイッチ銀座1
●「ヘイゼル85(Heysel 85)」(ベルギー/オランダ/ドイツ/監督:テオドラ・アナ・ミハイ、出演:ヴィオレット・ブレックマン、マッテオ・シモーニ、ヨセ・デパウ)が「アジアン・プレミア」で上映。
1985年、ベルギーのヘイゼル・スタジアムでのユベントス対リバプール戦で起こった、サッカー史上最悪の事件と言われる暴動とその結末を、市の広報担当やイタリア人レポーターなど様々な人々の視点から複合的に描き出した作品。
10月26日(月) 21:05 TOHOシネマズシャンテ1
10月31日(土) 10:00 TOHOシネマ日比谷12
11月2日(月) 20:20 ヒューマントラストシネマ有楽町1
各作品のチケットは10月17日(土)より発売が開始される。詳細は映画祭HPまで(https://2026.tiff-jp.net/ja/)。
(文/麻生雅人)



