ルーラ候補とフラヴィオ・ボウソナーロ候補、TV討論会で激しい応酬

2026年 10月 20日

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10月18日、ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ(労働者党/PT)氏とフラヴィオ・ボウソナーロ(自由党/PL)氏の両候補はバンジ(バンデランチス局)が主催した討論会に参加した(写真:Renato Pizzutto/Band)

【ブラジリア 10月19日 8:07】 ブラジル連邦共和国大統領選の候補者であるルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ(労働者党/PT)氏とフラヴィオ・ボウソナーロ(自由党/PL)氏は、18日(日)、バンジ(バンデランチス局)が主催した討論会に参加した。討論は終始、両候補による挑発的な発言が飛び交い、複数の場面で司会者による介入が必要となった。

第1ブロックでは、ルーラ氏がフラヴィオ氏に対し、元銀行家ダニエウ・ヴォルカーロ氏から受け取った1億3400万レアルの資金や、児童殺害事件の被告人を擁護した過去について質問した。

ルーラ氏はさらに、マリエル・フランコ市議殺害事件の実行犯との近接性、弾薬の薬莢への番号刻印に反対した立場、そしてリオ州議会(Alerj)議員時代に産休期間延長に反対票を投じたことなどを問いただした。

一方のフラヴィオ氏はこれらの質問に答えず、ルーラ氏の息子ファビオ・ルイス氏が影響力行使の疑惑で捜査対象となっている点を取り上げたほか、INSS(社会保障庁)の不正についてルーラ政権の責任を主張した。しかし、これらの不正に関してはジャイール・ボウソナーロ政権下で始まったもので、現政権が是正し、年金受給者への補償が行われた事実には触れなかった。

<政策討論:治安、SUS、労働制度>

政策論争の場面で、フラヴィオ氏は犯罪組織を「麻薬テロ組織」として分類する意向を示し、当選した場合には刑務所に50万床を新設すると述べた。

ルーラ氏は、治安政策の体系化のために「公安省」を創設し、連邦・州・市の役割を明確化し、犯罪対策に連邦政府を積極的に関与させる方針を改めて表明した。

<SUS(統一医療制度)を巡る議論>

司会者からSUSの重要性について問われたフラヴィオ氏は、民間医療機関アウベルト・アインシュタイン病院のクラウジオ・ロッテンベルギ院長を保健相に起用し、「SUSにアインシュタイン標準を導入する」と述べた。

ルーラ氏はこれに対し、フラヴィオ氏が公的医療サービスを利用した経験がないと批判し、SUSの民営化意図を疑問視した。また、2020〜2022年のパンデミック対応をめぐり、ジャイール・ボウソナーロ政権がワクチン購入を遅らせた結果、71万6000人以上が死亡したと指摘した。

ルーラ氏の発言中、発言権のないフラヴィオ氏が割り込む場面があり、司会者アドリアナ・アラウージョ氏が制止した。

その後、フラヴィオ氏は「パンデミックは誰も対処法を知らなかった新しい事態であり、父ジャイール・ボウソナーロは最善を尽くした」と擁護した。

<「サイジーニャ」(受刑者の一時外出)>

フラヴィオ氏は、2023年のヘナータ・テレス氏殺害事件やミナス州警察軍軍曹殺害事件を挙げ、受刑者の一時外出制度「サイジーニャ」を批判し、ルーラ氏が「犯罪者の権利を優先している」と非難した。

ルーラ氏は、模範的な行動を示し更生過程にある受刑者には制度を維持すべきとしつつ、性犯罪や重大暴力犯罪の受刑者は対象外とすべきだと述べた。

また、ルーラ氏はフラヴィオ氏が父ジャイール・ボウソナーロ氏(クーデター未遂と組織犯罪で有罪)の恩赦を求めていると批判し、「恩赦は他の受刑者にも広範な影響を及ぼす」と指摘した。

<6×1勤務制廃止法案>

6×1勤務制廃止法案(注:現ルーラ政権下で今月可決された)について、フラヴィオ氏は最近の態度変更を認め、「労働者の声を聞いた結果、賛成票を投じた」と述べた。

ルーラ氏はこれに対し、「彼は公共サービスを利用したことがない。バスも文学でしか知らない。働いたこともない」と痛烈に批判した。

<機密解除要求>

第3ブロックでは、ルーラ氏がフラヴィオ氏に対し、両者の銀行口座・通話記録の公開を提案し、「国民が誰がこの国の泥棒なのかを知るべきだ」と述べた。

フラヴィオ氏は「隠すものはない」と答えたが、提案を受け入れるかどうかは明言せず、逆にルーラ氏が「口座外に資金を持っている」と根拠なく非難した。

<外交・対米関係>

ルーラ氏は、フラヴィオ氏の対米関係を問題視し、携帯電話や電池の製造に不可欠な「重要鉱物」のブラジルの主権が脅かされる可能性を指摘した。

また、ボウソナーロ家が米国の利益に従属していると批判した。

フラヴィオ氏はこれを否定し、国際協力の必要性を強調したが、兄エドゥアルド・ボウソナーロ氏がトランプ政権に対し、ブラジル製品への高関税措置を導入するよう働きかけた事実には触れなかった。

<治安政策>

フラヴィオ氏は顔認証カメラの全国展開や厳罰化を主張したが、具体策は示さなかった。

ルーラ氏は、盗難スマホを即時無効化する「Celular Seguro」など現政権の施策を挙げ、フラヴィオ氏の提案が既存政策の繰り返しだと批判した。

<爆発物の通報騒動>

討論会終了後、サンパウロ州軍警察の特殊戦術部隊(GATE)が、バンジ局駐車場に停められたフラヴィオ陣営の車両に爆発物があるとの通報を受け出動した。

捜索中、記者や来場者は退館を制限されたが、最終的に不審物は発見されず、現場は解放された。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)