ファヴェーラのワールドカップではシダーヂ・ヂ・デウス(シティ・オブ・ゴッド)が優勝
2014年 07月 13日FIFAワールドカップ2014はブラジルにとって満足のいく結果を出せないまま終わってしまったが、7月、ブラジルでは、もうひとつのワールドカップが行われていた。
“ファヴェーラのワールドカップ”とも呼ばれているという「フチボウ・アルチ・トーナメント」決勝戦が7月6日(日)にセレス・フチボウ・クルビのサッカー場で開催された。CUFA(クファ)が発表している。
CUFA(クファ)とは、セントラウ・ウニカ・ダス・ファヴェーラスの略でリオデジャネイロのいくつかのファヴェーラが協力しあって作った組織。創設メンバーの一人にラッパーのエミ・ヴェー・ビウがいることでも知られている。
ワールドカップにインスピレーションを受けて始まったという「フチボウ・アルチ・トーナメント」が始まったのは2010年。ファヴェーラにおけるサッカー選手権のひとつとのこと。現在、リオデジャネイロ州にある300のコミュニティが参加しているという。
「フチボウ・アルチ・トーナメント2014」が開催されたのは、市の西部、バングー地区にある、3000人が入ればいっぱいという小さなサッカー場。しかしこのサッカー場の芝生は、金持ちが羨むほど手入れがいきとどいているのだとか。
CUFAの組織拡大を担当するアウタイール・マルチンスさんによると、同イベントは、コミュニティ(ファヴェーラ)で生活している青少年、特に15~17歳の若者たちの生活や将来に夢を与えるために始まった。コミュニティから将来の名サッカー選手が生まれますようにという夢が託されているという。
「このワールドカップの期間を利用して、ファヴェーラの若者たちにも夢を与えたいのです」(アウタイールさん)
(次ページへつづく)
(文/麻生雅人、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)