サンパウロ市、自転車専用道を保安官が自転車でパトロール
2014年 08月 29日警官が自転車で町をパトロール。日本の町のような光景が、サンパウロでも見られるようになりそうだ。
といっても、自転車に乗るのは厳密には市の保安官。サンパウロ市が現在推進している自転車専用道(シクロヴィア)で、自転車のドライバーの安全を守るために機動する。8月22日(金)、サンパウロ市が発表した。
保安官は自ら自転車に乗り自転車道を走行。エリアのモニタリングを行いながら、自転車ドライバーへのオリエンテーションも行う。保安官は市の旧市街区からスタートする予定。
フェルナンド・アダジ市長によると、導入中の自転車道1km辺りに、2~3人の保安官を配備する計画だという。現在、自転車道は計画では2015年末には400kmを予定しているので、1200名の人員が必要になるという。
「他の国の事例を調査・検証した結果、保安官が自転車に乗ることは、現場のモニタリングだけでなく、市のためになると考えています。助けが必要な人の元に急行できるようにもなり、街の安全の保持にも役立つでしょう」(フェルナンド・アダジ市長)
保安官による道路上の監視は、ジウマ大統領も承認した法律に基づいていおり、自転車専用道路の優先に違反する自動車のドライバーに罰金を払わせる権限も持つという。
「正式に、保安官はその場で罰金を徴収できる権利を得ました。これは、ひとつの文化が変化するプロセスでもあります。道路が整備され安全も守られれば、街の安全も守られ、近隣の商売も円滑に行われるようになります。保安官が屋内に留まっていては何かあっても迅速に行動出来ません。自転車で街に出れば即座にいろいろなことに対応できます」(フェルナンド・アダジ市長)
イビラプエラ公園では、すでに保安官が自転車でパトロールを始めているという。同公園内では保安官の数も倍にしたことで、市長によると園内の窃盗はゼロとなったという。
「自転車の数も増やさなければなりません。しかし高価なものではありません」(フェルナンド・アダジ市長)
サンパウロ市では現在、日曜・祝日に、朝7時~夕方16時までなど決まった時間内に自転車専用レーン(シクロ・ファイシャ)を設けている通りがあるが、自転車専用道(シクロヴィア)は、自転車のための隔離された通行動。稼働は毎日で、通勤利用が多い。場所によって時間が決められているところもあり、例えばマージナル・ピニェイロス自動車道では、朝6時から夕方18時半となっている。
2014年内にすでに11.6km作られており、8月末までに30.6kmになる目算。現在、トータルでは82.41kmあり、年内には200kmにする予定だという。
(文/麻生雅人、写真/Fábio Arantes/Secom)
写真はサンパウロ市ドゥッキ・ヂ・カシアス大通りの自転車専用道路