ブラジルの森林火災、2013年の倍以上に。要因は記録的な少雨と干ばつか

2014年 10月 15日

火災の被害にあうハリネズミ

記録的な少雨、干ばつが続く南東伯(ブラジル南東部)で森林火災が続き、聖(サンパウロ)州カンタレイラの州立公園やリオ州ペトロポリスの国立公園などでも被害発生と14、15日付伯字紙や各紙サイトが報じている。

聖市やカイエイラス、グアルーリョス、マイリポランといった市にまたがるカンタレイラ公園の火災は11日に発生。

鎮火は手間取り、14日も聖市とグアルーリョスの消防40人、防災局職員11人、公園警備員15人からなる消防隊と軍警ヘリコプター3機が参加してやっと収まったが、30万平米を焼失した。

聖州ジュンジアイーでも、14日午後までに最低320万平米の森林を焼く火災が起きている。

州防災局によると、セーラ(セーハ)・ド・ジャピは鎮火したが、セーラ(セーハ)・ドス・クリスタイスの火災はコントロールできずに拡大中で、ジュンジアイー、カブレウヴァ、ピラポラ・ド・ボン・ジェズスでは民家への延焼も懸念されている。カブレウヴァに近い丘陵地では別途250万平米を焼失した。

消防によると、聖州では今年に入ってからの火災が13年比134%増えたという。13年の火災は約6万件で、4万5千件は森林や農地など、1万5千件は工業地帯や住宅地で起きている。

10~14日は州内の森林1003カ所で火の手が確認されており、1月からの森林火災は4307件に達した。この数字は13年の森林火災2055件の倍以上だ。

他方、リオ州山間部では、セーラ・ドス・オルゴンス国立公園(PERNASO)とペトロポリスの保護地区(APA)で8日に発生した火災が15日になっても続いている。ペトロポリスでの火災は人家にも迫り、14日までに市街地でも雑木林など2千平米が焼けている。14日の消火活動は15日未明に終ったが、15日も早朝から地上と空からの消火活動が再開された。

15日朝の発表によると、リオ山間部の森林は既に2400万平米を焼失。ペトロポリス市イタイパヴァ区のマンガ・ラルガとボア・エスペランサ、ロッシーニャ街道、ペドリーニャスなどでは火の勢いがまだ強いが、それ以外の地域では鎮火が進む見込みだという。

専門家は、記録的な少雨、干ばつで、大気も草木も乾燥しきった状態にある事が火災頻発や短時間での延焼の主要因と見て、煙草の吸殻の投げ捨てなどにも留意するよう呼びかけている。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Parnaso (13/10/2014))
写真は10月13日、リオデジャネイロ、ペトローポリス。山火事で煙を吸って苦しんでいたハリネズミはパルナーゾの研究室に保護された