ブラジルは風味も香りも多種多様(1)国民的飲料ガラナの嗜好性にも地域差

2015年 11月 9日

ガラナジェズース

日本ですら地域によって風味の嗜好性が異なることから、20倍以上の国土を有するブラジルのそれが大きく異なることは必然と言えよう。具体例として、まずはブラジル人が大好きな炭酸飲料について触れたい。

中でも圧倒的な人気を誇るのがコーラで、炭酸飲料市場全体の約50%を占めている。しかし、嗜好性について語る上でより興味深いのは2番人気(炭酸市場の 15%前後を占めると見られる)のガラナ飲料である。

「ガラナアンタルチカ」(フローラル・ベリー要素が特徴)のシェアはガラナ飲料カテゴリーの中で圧倒的だが、それぞれの地域に特有のブランドがあり、風味も大きく異なる。

地方ブランドのガラナでは「ガラナジズース(ガラナジェズイス)」、「ガラナバレー」が代表例といえるだろう。

前者はクミン・クローブ・シナモン的スパイス感が強く、マラニョン州等の北東部で一般的。後者は Tutti-frutti・スイートバニラ要素が特徴的、アマゾナス州等の北西部にて人気である。「アンタルチカ」が関東風のうどん出汁だとしたら「ジェズイス」、「バレー」はスンドゥブチゲ、くらいの風味差である。

ブラジル特報2015年11月号

※「ブラジル特報」は日本ブラジル中央協会が発行している機関紙。隔月発行、年6回、会員に無料配布される。日本ブラジル中央協会への問い合わせは、E-mail info@nipo-brasil.org、TEL:03-3504-3866、FAX:03-3597-8008 まで。

(文/樫村覚人、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会)、写真/麻生雅人)
写真、中央はガラナジェズイスのカロリー・ゼロ版。ガラナジェズイスは、1920年にマラニョン州の薬剤師ジェズイス・ノルベルト・ゴメスの手によって作られたご当地ガラナ飲料。2001年、コカ・コーラ社に商標を買われた