オオアルマジロのマブちゃん、ブラジリアへ
2015年 12月 14日ブラジリア動植物園に、頭の先からしっぽの先までトータルで1メートルの新居住者が迎えられたと、12月11日づけで「アジェンシア・ブラジリア」が伝えた。
やってきたのは生後約1年と2ヵ月のオオアルマジロの女の子、マリア・ボニータちゃん。あだ名はマブ。体重は17kgとのこと。
日中はほとんど寝て過ごして、夜になると、地面に穴を掘っているという。
ブラジリア動植物園財団によると、動物園でオオアルマジロが飼育されるのはこれが世界で唯一の例とのこと。
マブちゃんはトカンチンス州にある建物の中で一匹でいるところを発見された。約7ヵ月前にブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)によって、ブラジリア国立公園の中にある野生動物スクリーニングセンターに移送されたのち、ブラジリア大学獣医病院でケアされていた。そしてこのたび、ブラジリア動植物園へやってきた。
財団の畜産学者アナ・ハケウ・ゴメス・ファリーアさんによると、マブちゃんは人間に保護されて育てられたため、自然の中での生活環境には適合しないと考えられるという。自然に返しても動物の餌食になりやすいという。
「獣医病院にやってきたとき、彼女はまだ眼もあけていない状態でした。私たちは実際より、もっと若く生まれたてだと思っていました」(アナ・ハケウ・ゴメス・ファリーアさん)
動物園でマブちゃんが一般来場者に披露されるのは、準備が整ってからになるため2016年前半からと予想されているという。
また、アナ・ハケウさんは、オオアルマジロが絶滅危惧種であることも説明した。アナさんによると、絶滅しかけている原因としては、狩猟や、生息地が減少していることが挙げられるという。
種の保全プロジェクトに取り組んでいるブラジルの機関によると、過去25年で30%が減少しているという。
(文/麻生雅人、写真/André Borges/Agência Brasília)