世界遺産フェルナンド・ヂ・ノローニャでフランス人観光客が溺死

2016年 04月 11日

フェルナンド・ジ・ノローニャ

グローボ系ニュースサイト「G1」が4月9日づけで報じたところによると、ブラジル北東部ペルナンブーコ州のフェルナンド・ヂ・ノローニャ島でフランス人の観光客が高波にさらわれ、溺死したという。

フェルナンド・ヂ・ノローニャは、ユネスコの世界遺産にも登録されている「ブラジルの大西洋上の島々 : フェルナンド・デ・ノローニャ諸島とロカス環礁の保護区群」にある美しい島で、ブラジル屈指の観光地。自然保護のため、1日当たりの入島人数を制限していることでも知られる。

その美しい島で悲劇が起きたのは9日の午後。70歳のフランス人男性観光客が夫人とともにカシンバ・ド・パードリの浜で水浴びをしていた時に起こった。

この男性は腰のあたりまで水に浸かっていたところ、急に頭の高さまでの波が押し寄せてきた。男性はよろけ、引き波によって沖までさらわれた。

夫人も含めビーチにいる人々は波にさらわれた男性を水から引き上げてもらえるよう、近くにいるサーファーに向かって叫んだ。浜に引き上げられた男性には、救急車が来るまでの間、人工呼吸など心肺蘇生措置が施された。

男性は救急車でサン・ルーカス病院に運ばれたが、病院に到着した時点ですでに死亡していた。救急隊員らが手を尽くしたが蘇生しなかった。現在遺体はヘシーフィ(レシフェ)にある法医学センターに運ばれ、10日の便でフランスに移送された。

事故現場となったカシンバ・ド・パードリの浜は島で最も人気のスポット。サーフィン向きの”チューブ”といわれる波が多いことから、サーファーの間では「ブラジルのハワイ」といわれている。サーフィンの地区大会などがよく行われ、普段からアマチュアサーファーたちで賑わっているという。

フェルナンド・ジ・ノローニャ

(文/余田庸子、写真上/Alberto Perdomo/flickr、写真下/Crystian Cruz/flickr)
フェルナンド・ヂ・ノローニャ島のカシンバ・ド・パードリの浜