元ブラジル代表監督も務めたヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ氏がクラフト・カシャッサを発売
2019年 05月 21日
1970年代にフラメンゴやボタフォーゴなどで活躍した元サッカー選手で、ブラジル代表の監督も経験したこともあるヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ氏(67)が、5月10日(金)、自身の誕生パーティで個人ブランドのカシャッサ「ルシェンブルゴ」を発売したと、グローボ系列のスポーツニュース「グローボ・エスポルチ」が報じた。
カシャッサとは、サトウキビの絞り汁から造られるブラジル原産の蒸留酒。ブラジル・カシャッサ調査サンタ―(CBRC)によると、カシャッサは2019年の時点で世界で三番目の消費量を誇る蒸留酒で、ブラジル国内に4000以上のブランドがあるという。
発表されたカシャッサ「ルシェンブルゴ」はありきたりのカシャッサではなく、アラゴアス州ジュンケイロ市にある蒸留所ブレジョ・ドス・ボイスで製造されるもので、1952本限定で発売されるという(この数字はルシェンブルゴ氏が生まれた年(1952年)にちなんでいる)。
ブランドによるとカシャッサ「ルシェンブルゴ」は、原料のサトウキビも選りすぐられた新鮮なサトウキビが使われ、厳選された欧州産のオーク樽で4年熟成して造られたプレミアムな逸品だという。
カシャッサの研究・広報団体カシャッサ・カウンシル・ジャパンの麻生雅人・主席研究員によると、近年ブラジルでは、中小や個人が経営する蒸留所が、オークをはじめさまざまな木を使った樽で熟成させた個性あふれるクラフト・カシャッサ(現地ではカシャッサ・アルテザナウ)を作り、国内の愛好家の間で競い合うように求められているほか、数々のブランドがスピリッツの国際品評会で世界的に注目を集ているという。
「ブレジョ・ドス・ボイスはオーガニックのクラフト・カシャッサのブランドです。原料のサトウキビをオーガニック栽培するための土壌や環境保全の整備に10年かけて準備を行い、2006年に市場に登場しました。1年半オークで熟成させたタイプのものが、2014年のブリュッセル国際コンクール・スピリッツ部門で銀メダルを受賞して注目を集めました」(カシャッサ・カウンシル・ジャパン 麻生雅人・主席研究員)
カシャッサ「ルシェンブルゴ」 はサッカーの有名人にちなんだ限定品だけに、価格もプレミアム級。ブラジル国内の謝意送料込み、記念ボックス入りで一瓶379レアル(約10,200円、1レアル≒26.85円で換算)となる。
「ブラジルのカシャッサの価格は、大量生産される工業製品のブランドは一瓶で約300円ほど。クラフト・カシャッサは、熟成年数など手のかけ方は製造量により価格はまちまちですが、2000円代はざら。一瓶3万円以上するものもあります」(カシャッサ・カウンシル・ジャパン 麻生雅人・主席研究員)
ヴァンデルレイ・ルシェンブルゴ氏は今月上旬、リオのサッカークラブ、ヴァスコ・ダ・ガマと新たにコーチとして契約を結んだことが報じられていた。この日は、誕生日と、氏の名前が冠されたクラフト・カシャッサの発売、そして新たなサッカー人生の門出という3つの出来事が祝福されたという。
(文/加藤元庸)