ミナスジェライス州に陶芸学校を。 陶芸を学ぶ外国人学生の支援プロジェクト、2019年も開催へ

2019年 06月 12日

陶芸を学ぶ2017年の留学生(写真提供/ Queridos Amigos )

ブラジル学生支援プロジェクト「Queridos Amigos(ケリードス・アミーゴス)」が、島根県邑智郡美郷町上野の陶芸家・橋本白道さんの工房に陶芸を学ぶブラジル人学生を2か月間招待して、日本の陶芸文化の継承を目指すプロジェクトを行っている。

「Queridos Amigos(ケリードス・アミーゴス)」によると、半世紀前に日本人移民が撒いた陶芸の種が、現在、ブラジル各地で花を咲かせているという。

しかしブラジルには陶芸を学ぶことのできる学校は1校しかなく、夜間授業で4時間行われている上に窯やロクロは破損しており、実技はほとんど行われていないという。

そんなブラジルの現状を知った陶芸家・橋本さんの「陶芸を心からやりたいと思っている学生に、物作りに没頭できる場を提供したい」という想いから、ブラジル人学生の留学支援プロジェクトが3年前にスタートした。ブラジルで日本人陶芸家が半世紀かけて築いて来た伝統の継承にもつながれば、と橋本さんは考えているという。

留学生はブラジルに限らず世界中から迎えられており、2017年にはブラジルからの学生3名と香港からの学生1名、2018年にはブラジルからの学生2名とリトアニアからの学生1名がプロジェクトを通じて来日して、橋本さんの工房で陶芸を学んだ。

留学生たちは陶芸を学ぶだけでなく、生け花を学んだりお祭りに参加するなどして、地域の人々と交流しながら日本の文化を体験したり、日本の芸術作品を観賞したという。

また、これまでに来日したブラジル人学生のうち3名が、帰国後、ブラジルで陶芸工房を開いたという。

2019年はブラジルから6名、スウェーデンから1名、リトアニアから1名の計8名の学生が来日を希望しており、「Queridos Amigos(ケリードス・アミーゴス)」では現在、8名の留学生の生活費や材料費などのために必要な資金50万円をクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/158676?fbclid=IwAR2IMm0M3ogAEd17A06FP-uQRFeHIbgNJNhSHIckSezyXw-sulXejDu_CAE)で募っている。

同プロジェクトでは、留学生の支援に加え、最終的にはブラジルのミナスジェライス州に実技を重視した小さな陶芸学校を作ることを目的としているという。

(文/麻生雅人)