軍事独裁政権下でのLGBTQIA+コミュニティへの迫害を物語る展覧会、開催される
2025年 06月 10日
ウラジミール・ヘルツォーク機構、バジュバー目録、ブラジル・レズビアン・アーカイブ(ALB)は、6月7日(土)からサンパウロの抵抗運動記念館で、バーチャル展「独裁政権下の反体制派の生き方 ― 抑圧、社会的想像力、そして日常生活」を開催している。
この展覧会は、1964年に始まり21年間続いた文民・軍政独裁政権下でのLGBTQIA+コミュニティへの迫害と、今日まで続く暴力を、共に描いている。
展覧会と並行して、このテーマに関するポッドキャストも配信される。展覧会もポッドキャストも、活動家たちが異性愛規範(異性愛こそが正常かつ正しい性的指向であるという考え方)のルールに従わなければならないという圧力に対し、抵抗するために見出されたメカニズムについて、広く大勢の人々が知る機会を提供する。
ポッドキャストでは全部で4つのエピソードが公開される。展示と番組プロジェクトは、国家LGBTQIA+人権局(人権・市民権省)の支援を受けて開催される。
この展覧会は国家真実委員会(CNV)が作成した資料へのアクセスの近道でもある。
(圧力となる)教化の試みに屈せず生き残った人々の証言に基づき、来場者は、多くの場合、権利を制限され、暴力にさらされながら、閉ざされた場所で命を落とした人々について、より深く知ることが可能となる。
LGBTQIA+の人々に対する周縁化を推し進める型の一つは、異性愛中心主義という狭量で抑圧的な世界に当てはまらない性同一性(性自認)や性的指向にレッテルを貼ることだった。言い換えれば、医療分野からの参照事項を歪曲して、彼らを犠牲にし、今もなお犠牲にし続けている暴力を正当化することである。
ウラジミール・ヘルツォーク機関の記憶・真実・正義部エグゼクティブ・コーディネーターのロレーン・ホドリゲスは、被害者の証言は全体像をより深く理解するための基礎となると指摘する。
事件が公に知られるようになるまでは、被害者をさらすことになったり、再び被害者になったりすることを避け、受けた暴力や汚名をより悪化させるようなアプローチをとらないよう、細心の注意を払う必要がある。
「私たちは、(人々が)沈黙と恐怖に徐々に立ち向かいつつあることがわかります。性別やジェンダーに当てはまっていない人たちが、安全に声をあげるための場を徐々に見つけています。これは非常に大きな影響をもっています。なぜなら、これらの証言者たちはそれぞれの個人だけのものではなく、見えなくさせられてしまっていた集団的記憶を再構築するのに役立つからです」(ロレーン・ホドリゲス氏)
また、同機構の代表は、LGBTQIA+の人々が可能な限り多くの情報をアーカイブに保存することについて関心を抱くようになったのは早い時期で、1970年代と1980年代により強まったと言う。この文脈における前例は、サンパウロ美術館(MASP)の「LGBTQIA+の歴史展」で見られるように、先駆者のコミュニティを作りあげた。同展示は今年の4月まで一般公開され、さまざまな国の団体が、抑圧の経験を記録し文書化するためにどのように組織化され、現在も組織化され続けているかを紹介した。
「厳しい弾圧の時代にあっても、記録について強い懸念がありました。出版物、新聞、速報、記事は、軍人たちや、社会的な立場を得るためにこの時期に生まれたグループの手によって制作されました。そして、この“遺産”の一部は、バジュバやALBなどのコレクションのベースとなり、私たちが展示やポッドキャストなどのプロジェクトを考える上で基礎になっています」(同)
コーディネーターは、沈黙だけでなく、「制度的空白」を埋め、このような取り組みを補助するための資金を得することも大きな困難だという。
「LGBTQIA+の人々に対する国家による暴力を認めることに関しては、依然として多くの抵抗があります。もう一つの大きな障害は、アーカイブへのアクセスです。アーカイブは権力を持つ機関です。これらのアーカイブでは、何を表示するか、また何をオミットするかを選んでいることを、私たちは知っています」とロレーンは語った。
特定の項目のデジタル化が不十分であり、例えば、研究者からのさらなる関与が必要であり、組織による政治的決定として解釈される可能性があると強調した。
闘争に希望を取り戻す一つの方法は、魔女狩りが激しかった時代においても、LGBTQIA+の愛を通じての抵抗が長きにわたって存在してきたことを知ることです。ロレーンは、自身にとって最も印象に残る画像の一つは、女装家やトランスジェンダーの人々が踊ったり笑ったりしている写真だと語る。
「これは迫害の時代に、公式の歴史のアンダーグラウンドの場における生命の鼓動を語るイメージです」(同)
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)