COP30に向けてベレン市は5万3千の宿泊施設を確保

2025年 08月 20日

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11月のCOP30開催に向けて施設整備や建設が進むパラー州ベレン市(撮影/麻生雅人)

2025年11月に予定されている国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)の開催期間中、ベレン市(ブラジル、パラー州)では5万3千床の宿泊施設が確保されていると、セウソ・サビーノ観光相が8月19日(火)、ラジオ番組「ボン・ジーア・ミニストロ」でのインタビューで明らかにした。

「COPに参加するすべての人に宿泊施設を提供し、公正な価格での滞在を保証します」と観光相は述べた。

「昨年アゼルバイジャンで開催されたCOPでは、最も参加者が多かった日でバクー市に宿泊した人数は2万4千人でした。ベレン市においては、ブラジル政府が民間との連携や各種施策を通じて、すでに5万3千床以上の宿泊施設を確保しています」とサビーノ観光相は補足した。

同観光相によると、ブラジル政府は国連の196の締約国・加盟国の代表団向けに、2,400室以上の個室を提供する予定とのこと。宿泊料金は100米ドルから設定されており、代表団は一人当たり国内総生産(GDP)に基づき、低所得国グループと高所得国グループの2つに分類されるという。

「低所得国グループには1泊100〜200米ドル、高所得国グループには200〜600米ドルの宿泊料金が適用されます。さらに、ベレン市のホテル業界と合意を結び、全客室の10〜20%を1泊300米ドルで提供してもらうことが確保されています」(セウソ・サビーノ観光相)

宿泊料金の高騰に関する苦情について、サビーノ観光相は事実を認めつつも、ただしそれは一般的な傾向ではないと強調した。

「市内で宿泊施設の供給が拡大している中で、一部に価格の乱高下が見られることは認識しています。しかし、それは例外的なものであり、基本的には私が先ほど述べたような公正な価格設定となっています。こうした不当な
価格設定は抑制され、是正されていくでしょう」(セウソ・サビーノ観光相)

「こうした価格の乱高下に対処するのは市場自身ものです。宿泊施設の供給が潤沢になれば、過剰な価格を設定している事業者は、価格を下げるか、空室のまま放置するかの二択を迫られることになります」(セウソ・サビーノ観光相)

COP30に参加を希望する社会運動団体や予算の限られた市民組織向けの宿泊施設の確保について問われたサビーノ大臣は、1泊50米ドルでの滞在を希望する団体も存在することを認めた。

「ブラジル政府は調整を試みています」と述べた観光相は、先週、マリーナ・シウヴァ環境・気候変動相、ヴァウテル・コヘイア・ダ・シウヴァCOP30特別担当官、COP30議長のアンドレ・コへイア・ド・ラーゴ大使らと会合を持ったことを明かした。

「我々は国際的なアドバイザーグループを立ち上げ、すでに活動を開始しています。COPに参加を希望しながらも宿泊先が見つからない、あるいは我々のプラットフォームの利用に困難を抱えている団体を特定し、彼らと空き宿泊施設を直接つなぐことで、滞在の確保を支援します」(セウソ・サビーノ観光相)

「今回のCOPを、過去最大規模で、最も決定的な会議とするだけでなく、最も包摂的なCOPにするためです」と、サビーノ観光相は締めくくった。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)