社会要因が超加工食品の消費を押し上げるとユニセフの調査が指摘
2026年 04月 2日

母親への負担の集中、手頃な価格、さらには、幼少期の欠乏体験に基づく感情的な要素まで──。ブラジル各都市の都市型コミュニティに暮らす子どもたちの間で、超加工食品(ウルトラプロセスフード)の消費を押し上げている社会的要因として、こうした点が挙げられることが、国連児童基金(ユニセフ)が3月31日(火)に公表した調査で明らかになった。
調査は、ブラジル国内の3つの都市型コミュニティに住む約600世帯を対象に実施された。調査地は、ベレン市(パラー州)のグアマー、ヘシ―フィ市(ペルナンブーコ州)のイブーラ、リオデジャネイロ市(リオデジャネイロ州)のパヴーナである。
回答者の84%が「家族に健康的な食事を提供することに強い関心がある」と答えた一方で、半数の家庭では子どもの間食に超加工食品が含まれていた。また、4世帯に1世帯では、こうした食品が朝食にも登場していた。
家庭内で最も多く見られた超加工食品は、フレーバー付きヨーグルト、加工肉製品、クリーム入りビスケット、炭酸飲料、インスタント麺だった。
超加工食品とは、天然由来の原料に化学的な添加物(着色料、香料、乳化剤など)を組み合わせて工業的に製造された食品を指す。こうした工程により、低コストで長期保存が可能となり、強い味付けによって消費者の嗜好性を高める特徴を持つ。
科学的なエビデンスにより、これらの食品を摂取することで、肥満、糖尿病、心疾患、うつ病、がんなどのリスクが高まることが示されている。
<母親への負担の集中>
調査対象となった家庭では、87%の母親が子どもの食べ物を「購入し、提供する」役割を担い、82%が調理も担当していた。
一方、父親の場合、食品を購入したのは40%、調理したのは27%、子どもに食事を出したのは31%にとどまった。
ユニセフ・ブラジルの保健・栄養担当官ステファニー・アマラウ氏は、食事に関するケアが女性に過度に集中している点を強調する。
「多くの母親は、外で働きながら、これらの作業を一人でこなしています。こうした負担の大きさが、超加工食品の“手軽さ”をより重く感じさせてしまうのです」と述べた。
<認識不足>
調査が指摘したもう一つの点は、超加工食品に関する認識不足である。多くの回答者は、このカテゴリーに該当する食品を「健康的」と捉えており、フレーバー付きヨーグルトやエアフライヤーで調理したチキンナゲットなどがその代表例として挙げられた。
また、ナトリウム、糖分、飽和脂肪酸の高い含有量を示す新しい前面表示ラベルについても、十分に理解されていない実態が明らかになった。回答者の26%が「表示の意味を知らない」と答えている。
さらに、55%は食品購入時にこうした“高含有”の警告表示を確認したことがなく、62%は「表示を理由に購入を控えたことがない」と回答した。
<低価格>
価格に対する認識も、消費行動に影響を及ぼす要因として浮かび上がった。調査では、67%の家庭が紙パック飲料、スナック菓子、炭酸飲料を「安い」と感じていた。
一方で、野菜や豆類を「高い」と答えた家庭は68%に上り、果物では76%、肉類では94%に達した。
研究チームは一部の家庭に対して詳細な聞き取りも行い、そこには感情的な側面も存在することを確認した。
「多くの人々は、自分が子どもの頃に“食べたいものを買ってもらえなかった”経験を持っています。だからこそ、今は子どもが望むものを買ってあげられることに喜びを感じるのです。キャラクターやイラストが描かれた超加工食品は、そうした“幸せな子ども時代”のイメージと結びつきやすいのです」と、ユニセフ・ブラジルの保健・栄養担当官ステファニー・アマラウ氏は説明する。
アマラウ氏はさらに、超加工食品の消費を抑えることが難しい理由として、健康への影響が「即時ではなく、蓄積的に現れる」点を挙げる。そのうえで、学校の役割の重要性を強調した。
「家庭は学校給食に非常に大きな信頼を寄せています。これは、学校が健康的な食事を提供する場として重要であるだけでなく、家庭に対しても食育を広げる役割を担っていることを示しています」
調査では、以下が提言された。
1 超加工食品の規制強化:子ども向け広告の規制、超加工食品への課税、学校における健康的な食環境の整備などを進め、こうした製品に“さらされる機会”と消費を減らす必要がある。
2 保育施設と全日制学校の拡充:幼児教育および学校の滞在時間を拡大することで、家庭の支援ネットワークを強化し、特に女性に偏りがちな負担を軽減するとともに、健康的な生活習慣の形成に寄与する。
3 医療機関での食事指導の強化:妊娠期から食事に関する助言を充実させ、質の高い情報を提供することで、超加工食品の早期導入を防ぎ、幼少期から健康的な食習慣を根付かせる。
4 地域の取り組みとリーダーシップの支援:地域の菜園、青空市、スポーツ活動、支援ネットワークなどのローカルな取り組みを強化し、健康的な食品へのアクセス向上と身体活動の促進を図る。
5 前面表示ラベルの理解と活用の促進:ラベルの意味と日常での活用方法を明確に伝える啓発キャンペーンを実施し、栄養基準や警告表示の形式を踏まえた上で、その効果を継続的に検証する。
6 行動を変えるためのコミュニケーションへの投資:家族の実情を踏まえ、平易な言葉で、いわゆる“見せかけの健康食品”の見分け方や調理方法の改善など、実生活に即した課題に対応するコミュニケーション戦略が求められる。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




