ブラジルには肥満者専用のサッカー観戦チケットがある!?

2015年 09月 6日

肥満優先

先月ベレン市に行った時に、空港で面白いものを見つけました。よくある優先席の表示かと思いきや、日本では見慣れない絵がありました。

肥満の人を表す表示です。ペルナンブーコ州では今のところ同じような看板を見かけたことがないので、州によって取り扱いが違うのかもしれません

ちょっと前の話ですが、2014年にブラジルでワールドカップが開催された時、ぼくもレシフェ(ヘシーフィ)のスタジアムに試合を見に行きました。チケットは FIFAのウェブサイトに登録して購入しました。

FIFAのチケットの種類は1~4等まで。その他に、車いす、身体障碍者の 専用のチケットがあり、さらには、「肥満の人専用」のチケットなるものがありました。

肥満専用のチケットとはなんぞや?

車いすや身体障碍者の方の専用チケットは分かる。しかし、なぜ肥満専用のチケットがあるんだろう。

ワールドカッ プのチケットは先着販売のフェーズでは一瞬にして空きが無くなってしまいます。ところが憎らしいことに、肥満専用のチケットは大分空きがあります!

肥満といっても、どこからが肥満とみなされるのでしょう? まさか、入場するときに、体重を測るわけでもあるまいし。肥満専用チケットの席が、あるエリアに固められていたとしたら、ちょっと、異様な光景になりそうですね。ちなみに、肥満者専用チケットは、ブラジル在住者専用のチケットで、非居住者は購入できない不思議なチケットでした。

肥満者のチケットといえば、以前、サモアの航空会社では、体重によって値段を買えるという販売戦略をとっているということがブラジルで論争になったことがあるそうです。飛行機の重さによって燃料の消費が異なるので、体重が軽い人の料金は安く、体重が重い人の料金は高くなるのだとか。サモアには、肥満気味の人が多く、航空会社の燃費負担が大きいことからこのような方針がとられているということです。日本ではちょっと考えられない販売戦略ですね。

(写真・文/唐木真吾)

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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