米国の「懲罰的」エタノール関税政策にブラジル業界団体が反論
2026年 06月 4日
ブラジルのサトウキビ産業・バイオエネルギー連合(Unica)とブラジル・バイオエネルギーは、米国通商代表部(USTR)が問題視している米国産エタノールのブラジル市場へのアクセスに関する指摘について声明を発表した。
両団体は声明で、ブラジルが輸入エタノールに適用している関税は米国を標的としたものではなく、南米南部共同市場(メルコスール)の共通外税(TEC)に基づく措置であると強調した。
また、米国政府は長年にわたり砂糖産業を保護する政策を維持しており、ブラジル産砂糖の米国市場へのアクセスを制限してきたと指摘した。
声明では次のように述べている。
「米国は数十年にわたり、過度に高い関税や輸入枠を通じて砂糖産業を保護しており、ブラジル産砂糖の対米輸出量は、ブラジルの総輸出量の1%未満に抑えられています」。
Unicaとブラジル・バイオエネルギーの声明は、米国政府がブラジル産品に対し新たに25%の懲罰的関税を提案しているタイミングで発表された。米国側は、ブラジルの一部の政策が「不公正」だと主張している。
この措置の根拠とされているのは、USTRが2025年7月に開始した調査で、ブラジルの政策や慣行が「不合理」であり、「米国の貿易に負担を生じさせたり、制限したりしている」と結論づけたことによる。
調査は、デジタル貿易や電子決済サービス(即時決済サービスPixなど)、特恵関税の付与、知的財産保護、腐敗対策、エタノール市場へのアクセス、違法伐採などの分野を対象に行われた。
USTRは、これらの点で米国企業や輸出に不利益が生じていると主張し、その結果としてブラジルが制裁を受ける可能性があるとしている。
ブラジル側の団体は声明で、ブラジル産エタノールが世界のエネルギー転換において戦略的役割を果たしていると強調した。
「ブラジル産エタノールは、低炭素性、厳格で検証可能な持続可能性基準、温室効果ガス排出削減への実効的な貢献を兼ね備え、国際的に最も効率的な輸送部門の脱炭素化手段の一つとして認められています。エネルギー転換、安全保障、持続可能な開発といった主要な国際アジェンダに合致する燃料です」と記した。
さらに両団体は、「通商上の意見の相違が生じた場合でも、対話と交渉を通じて解決すべきであり、両国にとって歴史的かつ重要な二国間関係を損なうべきではない」と訴えた。
声明は最後に、「Unicaとブラジル・バイオエネルギーは、ブラジル政府が国の戦略的利益を守るため、責任と断固とした姿勢、外交的な手腕をもってこの問題に対処すると確信しています」と締めくくった。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




