“サプライズ招集”はブラジル代表の伝統
2026年 06月 14日
W杯サイクルの最終年に、出場機会がほとんどなかったり、そもそもブラジル代表に呼ばれていなかったとしても、夢が途絶えるわけではない。その証拠に、カルロ・アンチェロッティ監督が選んだ2026年W杯メンバー26人のうち、8人は代表出場が10試合未満で、4人は2026年になって初めてA代表デビューを果たした選手だ。
センターバックのレオ・ペレイラ、MFダニーロ・サントス、FWライアン、FWイゴール・チアゴの4人は、今年3月のフランス戦とクロアチア戦の親善試合で初めてブラジル代表のユニフォームに袖を通した。それだけでアンチェロッティ監督を納得させるには十分だった。このうちダニーロ・サントスだけは、2022年6月に一度招集されていたが、当時のチッチ監督の下で行われた日本戦と韓国戦では出場機会がなかった。
左サイドバックのドウグラス・サントスは、代表7試合の経験を持ち、アレックス・サンドロと左サイドの定位置を争う。彼がA代表デビューを果たしたのは2016年、リオ五輪で金メダルを獲得した直後に臨んだコパ・アメリカで、当時の監督はチッチだった。その後、再び代表に呼ばれるまで9年を要したが、アンチェロッティ体制で2026年に定位置を確保するまでに至った。
センターバックのブレーメルとイバニェスは、2022年9月にガーナ戦とチュニジア戦の親善試合でそろって代表デビュー。これも、いずれもチッチ監督時代だった。ブレーメルは代表1試合のみの経験でカタール大会メンバー入りを果たしたが、両者とも今サイクルの大半を代表外で過ごしていた。それでも今年3月のフランス戦とクロアチア戦で評価を取り戻し、再びメンバーに復帰した。ブレーメルは現在8試合、イバニェスは7試合の代表出場を記録している。
負傷で離脱した右サイドバック、ウェズレイの代役として招集されたボランチのエデルソンは、ブラジル代表での出場がわずか3試合。アンチェロッティ監督の下では一度もプレーしていないものの、イタリア人指揮官から継続的に観察されてきた選手だ。彼が最後に代表で出場したのは、W杯南米予選のアウェーでアルゼンチンに1–4で敗れた試合で、この結果を受けてドリヴァウ・ジュニオール監督は解任された。
ブラジルが代表10試合以下の選手をこれほど多く招集したのは、1986年メキシコ大会以来となる。当時、テレ・サンタナ監督が選んだ22人のうち10人がこの条件に該当した。中には、右サイドバックのジョジマールとMFバウドのように、W杯前に一度もA代表でプレーしたことがなかった選手もいた。
同様の現象は1998年フランス大会でも見られた。23人のうち、代表10試合以下の選手はわずか3人。GKカルロス・ジェルマーノ、ボランチのエメルソン(負傷で離脱したホマーリオの代役として招集)、そして右サイドバックのゼー・カルロスだ。ゼー・カルロスはそれまで一度もA代表でプレーしたことがなかったが、準決勝のオランダ戦で、累積警告で出場停止となったカフーの代役としてデビューを果たした。
ブラジルが優勝した1994年大会と2002年大会では、今回(2026年)と同様に、代表出場10試合以下の選手が複数名含まれていた。特に2002年の日韓大会では、代表経験の浅かったボランチのジウベルト・シウバ(6試合)とクレベルソン(5試合)がレギュラーに定着し、優勝に大きく貢献した。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




