若きキロンボーラ有権者、「理念を守るための投票」を訴える

2026年 08月 24日

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ヒオ・ドス・マコスのキロンボーラ・コミュニティで生活するフランシエリ・シウヴァさん(写真:Acervo de família)

【ブラジリア 8月23日】 10月4日の投票日に、ゴイアス州サント・アントニオ・ド・デスコベルトのキロンボーラ(奴隷制度のあった時代、強制労働から逃亡した奴隷を中心として、森林地帯などブラジルの内陸部で育まれた共同体の子孫)の一つ「アンチーニャ・ジ・バイショ」の最年長有権者である農業従事者ジョアキン・モレイラさん(87)は、特別な同行者とともに投票所へ向かう予定だ。

その同行者とは、初めて選挙を迎える孫娘のタウアニ・シウヴァさん(16)。2人は投票日を心待ちにしており、選挙人登録証を大切に財布にしまっている。「私はずっと投票してきたし、今回も必ず行くよ」と祖父は語る。

タウアニさんは、16歳になった今年4月、母親のマヤラさんとともに市中心部へ向かい、選挙人登録を済ませた。「市民としての権利を行使したかった」と話す。

<有権者数は倍増>

2026年の選挙では、自らをキロンボーラと申告した有権者数が、2024年の選挙と比べてほぼ倍増した。選挙高等裁判所(TSE)の発表によると、2024年の自治体選挙では95,409人だったが、2026年には188,371人に達した。

タウアニさん一家が暮らすゴイアス州でも、キロンボーラ有権者は3,625人から5,394人へ増加している。

母親のマヤラ・シウヴァさん(36)は、政治の決定が日々の生活に直結することを子どもたちに教えているという。「政治から目をそらすことはできません。すべてが政治に関わっているのです」と語る。

タウアニさんは仮の選挙人証を受け取ったとき、とても嬉しかったという。「投票することで、私たち全員の未来を守ることにつながるんですよね」と話す。

<「呼吸する空気でさえ政治と関係している」>

民主主義における重要な日に参加したいという思いは、法学を学ぶ大学生フランシエリ・シウヴァさん(27)にも共通する。バイーア州シモンイス・フィーリョのキロンボーラ共同体「ヒオ・ドス・マコス」で生まれ育ち、18歳から選挙人登録証を持っている。

「投票がどういうものか、とても興味がありました。呼吸する空気でさえ政治と関係しているんです。母はいつも、自分の権利と共同体の権利のために闘うよう教えてくれました」と語る。

フランシエリさんはバイーア連邦大学(UFBA)で法学を学び始めてから、共同体の領土保護に関する情報に積極的に向き合うようになった。「投票は不可欠です」。

バイーア州を含む北東部は、ブラジル国内で最もキロンボーラ有権者が多い地域だ。2024年には51,633人だったが、2026年には95,901人に増加。TSEによると、同地域は全国のキロンボーラ有権者の半数以上を占めている。

<可視性の向上>

伝統的コミュニティの有権者増加は、地域での政治的認知と可視性の拡大が背景にあると、研究者のビア・ヌネス氏は分析する。ヌネス氏は、全国キロンボーラ農村黒人コミュニティ連合(Conaq)の研究者として活動している。

「私たちは自分たちの課題をさまざまな場に持ち込み、協力者を得てきました」(ビア・ヌネス氏)

彼女によると、キロンボーラ有権者の政治参加は、森林の守り手として自然保護に果たす役割への認識と学びを通じて進んでいるという。「例えば、領域が生物多様性にとってどれほど重要かを理解すること。それはキロンボーラが昔から担ってきた仕事です」と強調する。

ヌネス氏は、公共政策の要求はコミュニティが社会全体に果たす役割を踏まえたものだと説明する。「人々はその役割の大きさを理解し始め、投票の重要性、代表者を選ぶ意味を認識するようになっています」。

さらに、キロンボーラの人々は、政府に対し、住民の保護と領域の権利確定の進展を求める必要性を理解しつつあるという。そのためには、若い世代の参加が不可欠だと指摘する。

ヌネス氏は、ブラジル国家がキロンボーラの有権者・候補者を後押しするキャンペーンをさらに展開すべきだと主張する。依然として、圧力や暴力の脅威を伴う脆弱な状況が存在するためだ。「私自身、2020年に候補者だった際、命への脅迫を受け、現在は保護プログラムに入っています」。

<キロンボーラで高まる政治的意識>

キロンボーラ共同体の政治的意識には多様な道筋があると語るのは、ゴイアス州シダージ・オシデンタウのメスキータ共同体に暮らす金融リテラシー教育者ハファエウ・コスタ氏(32)。彼は、政治参加や代表性に関するテーマへの関心が高まっていると評価する。

「人々が情報を得れば得るほど、調べ、学び、公共政策の必要性をより理解するようになります」(ハファエウ・コスタ氏)

コスタ氏は、協力と利他性の精神で育ってきたコミュニティが、金融詐欺や誤情報に対して注意を払う必要があると指摘する。「自分たちの生活様式や生産のあり方を理解することで、政治的意識も高まっていくのです」。

金融教育者によると、若い成人層の間で、領域を脅かす誤情報から身を守るための政治参加への関心が高まっているという。「コミュニティの政治的基盤、これまで以上に強化されています」。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)