80~90年代のブラジルを代表する漫画家アンジェリー、70歳を迎える

2026年 09月 2日

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アンジェリーが生んだ代表的なキャラクターのひとりヘ・ボルドーザ(Angeli/Divulgação

パンクなアナーキストのボビ・クスピ(Bob Cuspe)や、奔放で自由奔放なへ・ボルドーザ(Rê Bordosa)、不適切にもほどがある双子のオス・スクロチーニョス(Skrotinhos)、時代に取り残されたヒッピーのウッド&ストック(Wood & Stock)、さらにインチキ宗教家ハラ・ヒコッタ(Ralah Ricota)など、アンジェリーは、社会規範から外れた街の住人たちを、辛辣で生き生きとしたキャラクターとして創造してきた。

カーザ・ヴェルジ地区に生まれ育ったサンパウロっ子のアンジェリーは、ブラジルを代表する風刺画家・漫画家となり、31日(月)に70歳の誕生日を迎えた。

アルナウド・アンジェリー・フィーリョは幼少期から絵を描きはじめ、思春期に新聞『オ・パスキン』でミロール・フェルナンデス、ジャグアー、ジラウドの作品に触れたことが、漫画家を志す決定的な契機となった。

1970年代、アンジェリーは『フォーリャ・ジ・サンパウロ』紙で風刺画を描き始め、その後、日刊の漫画「シクレッチ・コン・バナナ」を創作。これは独立系漫画雑誌へと発展した。

この雑誌では、アンジェリー、グラウコ、ラエルチの3人の作家によるキャラクター「ロス・トレス・アミーゴス」が誕生した。後に漫画家アダォン・イトフーズガライが加わり、作家チームは4人組となった。

アダォンは、アンジェリーの作品をへ・ボルドーザの物語を通じて知ったと語る。

「彼らから多くを学びましたが、一番大切だったのは友情とパートナーシップでした。仕事のためというより、人生のために学んだんです。もちろん、知らないうちに多くを吸収していました。今でも友人ですし、私の仕事には大きな影響を受けました。特にアンジェリーからは」(アダォン・イトフーズガライ)

「アンジェリーは20世紀における世界で最も重要なアーティストの一人だと言っていいでしょう。彼は、当時のブラジル漫画の堅苦しい伝統を打ち破ったんです。私が彼の作品を知った頃、漫画家たちは皆、軍事独裁をテーマにした風刺に向かっていました。そんな中で、アンジェリーはローリング・ストーンズのようなロックの感覚を持ち込みました。それに私は強く惹かれました。黒い服を着て、パンクで。私はロックやパンクの世界に強い魅力を感じていましたし、1980年代のサンパウロはアンダーグラウンドな“ディズニーランド”と呼べる素晴らしい場所でした」(アダォン・イトフーズガライ)

社会の偽善に唾を吐く老いた偏屈なパンクス、ボビ・クスピは、アンジェリー自身のオルターエゴでもある。創作者とキャラクターは、2021年公開の映画『Bob Cuspe – Nós Não Gostamos de Gente』(監督:セザール・カブラウ)の作品内では、直接対峙している。

アニメーションの一場面で、アンジェリーは自身の仕事の変化について語っている。

「昔のアンジェリーとは違うんだ。大きく変わった。私の描く線も変わった。ある日、調子が出ないまま目が覚めることがある。そうなると、面白いことを考えるのは難しいんだ」と語る。

変化を恐れなかったアンジェリーは、最も有名なキャラクターである、型にはまらないへ・ボルドーザを“殺す”決断をした。結婚後、退屈のあまり爆発して死ぬという設定だった。

アニメーション映画『Wood & Stock: Sexo, Orégano e Rock’n’Roll』の監督オットー・ゲッハは、作品から外すことのできないキャラクターとしてへ・ボルドーザを挙げる。

「へ・ボルドーザは当時、言ってみればアンジェリー本人よりも有名な存在になっていた。アンジェリーは長い間、さまざまな方法で彼女を殺そうとしてきた。私たちは彼女を登場させた。へ・ボルドーザは、何かを装ったり、役割を演じたりして時間を過ごす人々に対する痛烈な一撃だ。結局、人はさまざまな仮面を使わざるを得ないが、へ・ボルドーザは一切使わなかった。とても本物の存在だった。偉大なキャラクター、そして偉大なアンジェリーだ」と語った。

女優グラッシ・ジアノウカスは、短編、アニメシリーズ、長編映画『ボビ・クスピ』でへ・ボルドーザの声を担当した。

グラッシにとって、アンジェリーは1980年代・90年代の精神を誰よりも的確に描いた存在だという。

「心理的な深みがある。当時のブラジルの現代的な人物像を、緻密な研究を凝縮した形で表現している。今でも『スクロチーニョス』を読めば、彼らはあらゆる場所にいる。アンジェリーのキャラクターは、人間が受け入れられたい、あるいは自分たちの混沌を受け入れようとする普遍的な欲求の象徴だ。見る者は自分を重ね、時に泣き、時に運命の皮肉を受け入れる。アンジェリーの作品は、ブラジル社会としての私たちの存在のパラドックス、集団としての行動、偏り、すべてを描いている。素晴らしい。アンジェリーは実に偉大だ。私はアンジェリーの信奉者です」と語った。

1987年にへ・ボルドーザを“死なせた”後、アンジェリーは「スクロチーニョス」を生み出した。漫画家ラエルチにとって、彼らは友人アンジェリーが創造したキャラクターの中で最も魅力的な存在だという。

「彼らは非常に興味深い。演じる幅がとても広い。女性として登場したこともあれば、黒人として、ゲイとして登場したこともある……そして常に“スクロチーニョス”であり続けてきた。私は、彼らが物語を極限の状況に置き、挑戦的な場面を作り、人々を危機に追い込むところが好きなんです」と語った。

アンジェリーは2022年、言語・書字能力に影響を及ぼす失語症の診断を受けて引退した。その後、前頭側頭型認知症という神経変性疾患の一部であることが確認された。

独自の筆致で大都市の特性や都市生活者の姿を描き続けたクロニスタとして、アンジェリーはブラジル漫画界に真の革命をもたらした。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)