フラヴィオ・ボウソナーロ議員の弁護団、担当判事の変更を4度要請
2026年 09月 14日
【ブラジリア 9月12日】 フラヴィオ・ボウソナーロ上院議員の弁護団は、映画『ダークホース』の制作会社に関連する団体への議員歳費の流用疑惑をめぐる捜査について、担当判事をフラヴィオ・ジノ判事からアンドレ・メンドンサ判事へ移すよう、7月から8月にかけて計4回にわたり要請していた。
旧マステール銀行をめぐる一連の手続きの機密扱いが解除されたことで、フラヴィオ議員が映画『ダークホース』の資金調達に関する複数の疑惑──国外送金(為替犯罪)や資金洗浄など──の捜査対象となっていることが明らかになった。
弁護団による申請は、今年7月3日から29日の間に提出されたもので、うち2件はブラジル連邦最高裁判所(STF)のエジソン・ファキン長官宛て、残る2件はジノ判事宛てに送付されたとされる。
弁護人らは、メンドンサ判事が既に映画の制作・資金調達に関する複数の手続きを担当していることを理由に、関連捜査を同判事に集約すべきだと主張した。メンドンサ判事は、ジャイール・ボウソナーロ元大統領によって連邦最高裁判所判事に任命された経緯がある。
<担当判事をめぐる争い>
提出された文書の一つで弁護団は、本件がジノ判事に割り当てられたことについて、「担当判事を意図的に固定するために、管轄を操作したものだ」と批判している。
弁護団は「ADPF 854に関連付けて裁判所手続きが提出されたのは偶然ではなく、管轄規則を操作し、フラヴィオ・ジノ判事を担当に誘導するための不自然な管轄操作であったことが示された」と主張している。(注:ADPF 854 ブラジルの“秘密予算”問題を是正するために最高裁が扱っている、予算の透明性と憲法原則の遵守を監視する大型訴訟。現在はフラヴィオ・ジノ判事が担当し、議員歳費の不正や不透明な送金など、予算関連の不正疑惑を恒常的に監視する枠組みとして機能している)。
別の申請では、映画『ダークホース』に関連する6件の手続きのうち、5件が既にメンドンサ判事の担当となっており、唯一の例外がジノ判事に割り当てられた裁判所手続き第16.070号であると指摘している。
「映画『ダークホース』の捜査開始を求める6件の手続きのうち、唯一、裁判所手続き第16.070号だけがアンドレ・メンドンサ判事の担当ではない」
さらに弁護団は、議員歳費に関する捜査が、ジノ判事が担当するADPF 854に紐づけられるべきではないと主張した。
「ADPF 854は“秘密予算”に関する訴訟であり、違憲審査を目的とする客観的な手続きである。映画制作資金の刑事捜査とは何ら関係がない」
<映画をめぐる捜査>
映画『ダークホース』に関する捜査は複数の側面を持つ。
主な対象は以下の通り。
ヴォルカーロによる 6,280万レアル(約18億8,400万円)の資金提供
送金の一部が エドゥアルド・ボウソナーロの米国滞在費に流用された可能性
映画制作会社に関連する団体への議員歳費の不正流用疑惑
フラヴィオ議員は、公的資金が映画に使われた事実はないと主張している。しかし、議員歳費の流用疑惑は、目的外使用や透明性欠如の可能性が指摘され、捜査が強化されている。
<連邦警察の作戦>
10日(木)、連邦警察は本件に関連する捜査を進めるため、49件の家宅捜索令状を執行した。
捜索対象には、マリオ・フリアス元文化特別局長や、映画制作会社 Go Up のカリーナ・フェへイラ・ダ・ガマ代表が含まれていた。
この捜査作戦は、まさにフラヴィオ議員の弁護団が担当変更を求めていた手続きにおいて、ジノ判事が許可したものだった。
連邦警察によると、捜査は議員歳費の不正流用の疑いを中心に進められており、関連企業間で数億レアル規模の資金移動が確認されている。
捜査対象となっている犯罪は以下の通り。
横領(ペクラート)
文書偽造
資金洗浄
組織犯罪
入札関連犯罪
<ヴォルカーロとの関係>
本件は、メンドンサ判事が担当するダニエウ・ヴォルカーロおよび旧マステール銀行に関する捜査とも関連している。
機密解除された文書には、映画『ダークホース』の資金調達に関するメッセージや契約書などが含まれており、連邦警察は資金の出所と流れを詳細に調べている。
提出された資料の中には、映画制作会社 Go Up がスタッフと締結した契約書もあり、そこには 違反時100万レアル(約3,000万円)の罰金を伴う秘密保持条項が盛り込まれていた。
弁護団は、メンドンサ判事が関連手続きを一括して扱うことで、判断の矛盾を避けられると主張している。
しかし、ジノ判事が許可した今回の作戦により、議員歳費の不正流用疑惑に関する捜査は引き続きジノ判事の担当となる。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




