2015年 11月 30日 00:16
現地紙「オ・エスタード・ヂ・サン・パウロ」が11月26日づけで伝えたところによると、鉱物資源採掘・加工最大手のヴァーリ(ヴァーレ)社が、2016年以降、サステナビリティ企業インデックス(ISE)の構成銘柄から外されることが決まったという。
ヴァーリはミナスジェライス州マリアナ市で決壊して環境汚染を引き起こしている鉱山廃水貯蔵ダムを管理するサマルコ社の50%の権利を有している。
またヴァーリは、マリアナ市から50kmの距離にあるノヴァ・リマ市でも環境破壊の罪で訴えられている。
ISEは環境・経済面で社会の持続可能性を向上させている、社会的責任を果たしている、とサンパウロ証券取引所(以下「ボベスパ」)から認められた企業の株式を構成銘柄としている株式相場の指標。
26日、ヴァーリと入れ替わりで新しくISEの構成銘柄となる企業名が発表された。ボベスパはこの入れ替わりについて個別企業に関する具体的なコメントは避けた。
ISEデリバティブ評議会委員のソニア・ファヴァレット氏によると、2015年までのISE構成銘柄の一部が2016年には外れてしまうことについて、2つのケースがあると説明する。一つは自ら外れたいと申し出てきた場合、もう一つはISE構成銘柄の要件を満たさなくなった場合だという。
「サステナビリティの観点から、インデックスを構成する企業のいくつかにおいて企業側の構造的な変化があったことが認められました。また、経営戦略上の理由からISE構成銘柄から外れることを決めた企業もあります」(ファヴァレット氏)
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(文/余田庸子、写真/麻生雅人)
写真上はエスピリットサント州ヴィトーリアにあるヴァーリが運営する美術館
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