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大西洋岸でブラジル最北端のアマパー州で、赤道をひと跨ぎ!

船で運搬されるアサイー

さて、ここで少し、産業と経済のお話をしたいと思います。

アマパー州のGDPの44%は公的サービスに代表され、私営企業よりも公共投資による民間建設や鉄鉱石採掘プロジェクトが経済を牽引する構造とのこと。 ALC(Área de Livre Comércio)と呼ばれる自由貿易地区の影響で、輸入業の影響も強いのだそうです。

大西洋に面する同州では、州都Macapá マカパーから約20kmの場所に位置するSantana サンタナ港が、ヨーロッパとの貿易の拠点になっており、一次産品の加工処理施設も多く立ち並びます。州内で消費される食品の9割は輸入に依存しており、また電化製品などを扱う輸入品店が街中で存在感が発揮しています。

州への資本の流れの約8割は政府経由によるもので、残り2割が貿易。国土の75%は森林で覆われているため残りの25%を農業や工業などにあてていると聞きました。大きなプロジェクトとしては、Anglo社による鉄鉱石の採掘プロジェクト、Sambae社によるアサイー採取、国内企業によるヤシの芽(Palmito)栽培などがあるそうです。

州の主要産物は、ブラジルナッツ、マンジョカ芋、米、トウモロコシ、木材など。またマンガン、スズ等の鉱物資源も豊富です。

アサイーも盛んに栽培されています。当地ではR$15/kgほどのアサイー単価も、サンパウロなどの大都市ではR$50/kgほどで取引される高値が魅力で、「黒い金(Ouro Preto)」と呼ばれる程。川沿いでは集荷したアサイーを船で運搬する様子も見られました。また国内化粧品最大手Natura ナトゥーラ社がブラジルナッツ(Castanha do Pará)を栽培して、商品開発を行っています(写真上は船で運搬されるアサイー)。

また、アマパーは貧富の差がブラジルで最も顕著な州のひとつ。サンパウロ等の大都市から政府関連案件を狙って大企業が集中し、アマパーで得られた利益は全て他の州へと流出してしまうのが現状とのこと。

残念ながら、現時点では目新しい技術や工業らしいものは存在しないのですが、現在単科大学が3つ存在し、新たに2つ進出する予定もあるとか。生物多様性やクリーンエネルギーに関する研究が今後伸びていくことが期待されているそうです。

アマゾンの巨大魚ピラルク

最後に、旅に締めくくりにアマゾン地域の巨大魚、ピラルクーのソテーをいただきました。体長3mにも達する淡水魚ピラルクーの名は、昔の格闘ゲームにも出て来たので耳にしたことがある方もいらっしゃるかも知れませんね。

大味かと思いきやその白身の味は非常に繊細。身もやわらかくて、アマゾン川が育んだ滋養溢れる生態系の偉大さに感動した一夜だったのでした。

(写真・文/加藤塁)

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著者紹介

加藤塁 Rui Kato 仕事の都合で2011年~2013年までの二年間、ペルナンブッコ州およびサンパウロ州で過ごす。他の南米諸国に目もくれず、ひたすらブラジル各州の国内旅行に明け暮れ、2年間で26州+1連邦直轄区全てを旅する。気候・人種・歴史・産業・方言・食文化等が少しずつ違いつつも同じ根を持つブラジルの魅力の虜として、次回駐在時にもより奥地への旅を目論む。