スコラーリ・ブラジル代表監督がワールドカップ大会中の抗議デモについて言及。「私は、デモは起こると思う」

2014年 05月 1日

フェリパォン

「とんでもないことを引き起こす可能性がある」。

フェリパォンの愛称で知られるルイス・フェリペ・スコラーリ・ブラジルサッカー代表監督は、4月27日(日)放送のテレビグローボのインタビューで、ワールドカップのために計画されている抗議デモが、W杯優勝を狙う彼のチームのチャンスを傷つける可能性があると、コメントを発表した。

2013年にブラジル全体に波及した反政府抗議デモは、人々がより良いサービスを要求し、ワールドカップと2016年のリオ五輪に費やされている300億レアルを超えると言われている巨額な投資金額に疑問を投げかけた。現在、全国規模の大規模な抗議デモは減っているが、大会中に様々な形で抗議活動が行われることが危惧されている。

「私たちは、あらゆるインフラ、空港から道路に至るまで、(抗議デモで改革が訴えられている)教育に関しても。この7年間という長い時間に、私たちにとって必要であったすべてのものを用意することができたはずだ。しかし、その時間は失われた。もう時間切れになる」(スコラーリ監督)

スコラーリ監督は、大会中の抗議デモを禁止したいと言っているわけではない。人々はブラジル政府に対して生活改善などについて文句を言う権利を持っているが、それらの行動が「適切な時期」を選んでいないかもしれないと、付け加えた。

「私は、デモは起こると思う。そして、平和的である限り、誰もが抗議する権利を持っている。それが民主主義だ。しかし、それでも、適切な時期かどうか考えて欲しい」(スコラーリ監督)

スコラーリ監督の切なる想いは人々に届くのか–。

(文/加藤元庸、写真/Getty Images)
ルイス・フェリペ・スコラーリ監督