日本対コロンビア戦の決戦地クイアバの日本食事情
2014年 06月 24日日本対コロンビア戦の決戦地、マットグロッソ州クイアバ市は、日系人コミュニティも存在していて、日本食レストランも少なくない。そんなクイアバの日本食事情をローカルメディア「ミヂア・ニュース」が伝えているので、紹介しよう。
クイアバの日本食レストランは、18年前にはたったひとつしかなかったが、今では20件弱もあるという。健康食ブームの後押しもあり、同市では日本食の需要が増えているのだという。
さらには、2011年に第一回日本フェスティバルが開催され、日本や東洋の食べ物やテレビドラマなどが紹介されたという。このフェスティバルをきっかけに、生魚を食べる習慣が一気に浸透したという。
1996年、同市に最初にできた日本食レストランは「Itiban(一番)」。今もこの店は人気を博している。エレーナ・ヤマモトさんは「この辺りでは、まだ日本食は日本人、日系人以外には広く知られていませんでしたから、最初の3年はとても苦労をしました」と語る。
日系人は、各々の家では日本食を食べていたが、日本食を外食する習慣はなかったという。ブラジル人たちも最初はもの珍しさで来ていたが、3回以上食べると皆、日本食を食べることを習慣化していったのだとか。味はもちろん、目で見ても美しい日本食の魅力が、徐々に地元のひとにわかってもらえるようになったのだという。
現在、市内にある18件の日本食店は全てが料理店ではなく、手巻き寿司のファストフード、テマケリーアも含まれている。ただしテマケリーアでも、注文すれば刺身も食べられるという。
最も新しい店はボア・エスペランサに2013年12月18日にオープンした「Ryokan Sushi Lounge」。この店は、非日系のアントニオ・マシャードさんが病院からの帰り道、とつぜん閃いて、2週間でレストラン経営に動き出したという。「Ryokan Sushi Lounge」の寿司職人(現地ではスシマンと呼ばれる)ホビーニョさんは、サンパウロの寿司店などで修業した後、自分流に改良したメニューを出しているとか。サーモンの中に乾燥トマトを入れたメニューもそのひとつだという。
内陸部にあるクイアバは、海沿いの都市に比べると生魚の入荷は簡単ではないようだ。同店のオーナー、マルコス・パッソスさんは、生食を扱う料理店なので素材の仕入れには特別気をつけていると語る。「Itiban」のオーナーは、「輸送費、食材を輸入する税金がかかるので、価格はサンパウロより高めになってしまします」と語る。
テマキは、ブラジルの他の都市では9.90ヘアイスくらいだが、「Filadélfia」では15~17ヘアイスくらいしてしまうという。
「itiban」のエレーナさんによると、クイアバでの寿司の人気ネタはサーモンが1番で、まぐろの人気は8番目くらいだとか。
手巻き寿司にはクリームチーズが入っていたり、揚げ海苔巻など、日本にはないメニューも定番となっているがアメリカ合衆国の寿司の影響だろうという。
Itiban Culinária Japonesa
Rua Senador Filinto Muller, 829 – Duque de Caxias II
クイアバ市ドゥッキ・ヂ・カイシャス地区、セナドール・フィリーノ・ムレールII通り829
Ryokan Sushi Lounge
Av. Edgar Vieira, nº 1744 A Boa Esperança,Cuiabá
クイアバ市ボア・エスペランサ地区、エヂガーヴィエイラ大通り1774
(文/麻生雅人、写真/Divulgação)
写真は「Ryokan Sushi Lounge」