サンパウロに青空市(フェイラ)が誕生してから100年

2014年 08月 26日

青空市

魚屋のネウソン・イワモト(51)さん、売り物の魚の骨を抜くサービスを行うのは「ギヴアンドテイク」だという。

「青空市では、客は友達でもあります。エヂヴァールもその一人だけど、もう20年以上、うちで買い物をしてくれています。家族ぐるみでの友達です」(ネウソン・イワモトさん)

この100年の間で、スーパーマーケットやさらに大型のスーパーマーケット(カヘフールなど)がブラジルにもどんどん作られており、青空市は衰退しそうにも見えるが、なくなることはなさそうでもあるという。

常連客は、野菜が新鮮で価格が安いため、青空市に通い続けている。サンパウロ市によると毎週300万人のひとたちが青空市で買い物をしているという。

また青空市は、果物、野菜、魚などを売る場でもあるが、雇用も生み出しているようだ。7万人が青空市で雇われたという。

青空市をいつも利用するアナ・マリア・ホドリゲス(79)さんは「私は自動車を運転しないので、家の近所で開催される青空市は大変たすかります。売り物の青果の質がいいことは、いうまでもありません」と語る。

芸術家のアンドレア・フェルナンチス(42)さんは、青空市に来ることは、家族のスケジュールに組み込まれていると語る。

「子どもたちが加工されていない新鮮な果物を見て、食べることができる青空市は貴重な場所です」(アンドレアさん)

近年、オーガニック食品市も需要を伸ばしているが、サンパウロ市では、市にオーガニック野菜を売る生産者を増やす計画にも力をいれている。今週、ピニェヘイロスのラルゴ・ダ・バタタに、オーガニック食品に特化した青空市がスタートする。

(文/麻生雅人、写真/Cesar Ogata/Secom)
サンパウロ市内の青空市場。青果の青空市でも鮮魚や香辛料、蜂蜜などバラエティに富んだ店が並ぶ