新番組、ブラジル版「セックス・アンド・ザ・シティ」

2014年 10月 30日

セクソ・イ・ネグラス

アメリカ合衆国の人気テレビ番組「セックス・アンド・ザ・シティ」のブラジル版ともいえる新シリーズ番組「セクソ・イ・アス・ネガス」の放送が9月16日からTVグローボではじまっている。

同番組は放送がスタートする前から、予告映像や宣伝用に公開された写真などで描かれている黒人社会の描写について、人種差別であるという苦情が寄せられたことでも話題になった。

「UOL」は9月10日に、その時点で7件の苦情が特別人種平等推進局(SEPPIR)に寄せられていると伝えていた。同局は調書を作成してテレビグローボに対して番組のプロットに関する詳細な資料の提示を求めたという。

番組に抗議している視聴者の言い分にはステレオタイプの黒人像であるという意見などがあったようだ。中にはシリーズの放送中止の要求や、広告主にもスポンサーを降りることを求めている意見もあったという。

「セクソ・イ・アス・ネガス」は、リオデジャネイロ市北部のコルドヴィウ辺りのファヴェーラ、シダーヂ・アウタを舞台にしたドラマ。仕事も性格もまったく異なる4人、チウヂ、ズーマ、ズラ、ソライアたちのバイタリティ溢れる日々をコミカルに描いている。

タイトルにあるネガは、黒人女性を指す言葉でもあるが、肌の色に関係なく女性を指すこともあるという。また、親しい仲間同士の間では仲間や友人を指すスラングとのこと。使う状況や使い方にもよるが、言葉自体に必ずしも差別的なニュアンスが含まれるとは限らないようだ。

番組の製作陣も、この番組が人種差別的であることを否定している。番組の作家ミゲウ・ファラベーラは、「『セクソ・イ・アス・ネガス』には一切の人種的偏見はありません。理想的な愛を夢見て、探し続ける4人の女性の闘いをユーモラスに描いています」と語っている。

(文/加藤元庸、写真/Artur Meninea/TV Globo/Sexo e as Negas)
「セクソ・イ・アス・ネガス」。日本ではグローボインターナショナルで毎週木曜に放送中