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2014年 12月 14日 02:23
ブラジルには全国各地にさまざまな伝説があり、言い伝えに基づく、地方独特の行事が行われる。12月、ブラジル南部のサンタカタリーナ州グアビルーバ市では、クリスマスに独特の名物行事が行われる。
グアビルーバで行われるのは、ドイツの一部の地方に伝わるペウジニッケウ(Pelznickelのポルトガル語読み。ドイツ語とは発音が異なる)というクリスマスの祭事だ。
ペウジニッケウとは、良き子どもたちに贈り物を届ける聖ニコラウ(サンタクロース)に付き添ってクリスマスに現われる精霊。ペウジニッケウ協会によると、ペウジは髪の毛、ニッケウはニコラウを表わすという。
毎年、ペウジニッケウたちは聖ニコラウ(サンタクロース)の日である12月6日と、クリスマスイヴの12月24日になると彼らが住んでいる森を出てグアビルーバの街に現われるという。
ペウジニッケウたちはサンタクロースの手伝いをする存在ではあるが、役割はサンタとは真逆。その年、あまりお行儀がよくなかった子どもを見つけて、次の年の彼らの行いがより良きものになるように罰したり、教育的指導を行う。子どもたちにとっては恐い存在なので、黒いサンタクロースとも呼ばれる。
ペウジニッケウは木の葉や、蔦(つた)のようなもじゃもじゃしたもの、暗い色のぼろ着をまとい、角があり、恐ろしい仮面をつけている。手にはチェーンか鞭かこん棒を持っている。
グアビルーバ市では、12月12日(金)、ペウジニッケウのイベントが行われるテーマパーク「ペウジニッケウ広場」が今年もオープンした。
テーマパークがあるのは同市内でも外国からの移民が多く暮らすというニコラウ・シャエフェール通り。この街では数年前からペウジニッケウの行事をブラジルで再現しようという動きが立ち上がり、クリスマス時期にペウジニッケウのパレードや、各家をペウジニッケウが訪問するイベントが行われていた。そして3年前にペウジニッケウ広場が作られたという。
施設の中には、ペウジニッケウたちだけでなく、聖ニコラウや優しい精霊に扮した人もいる。グアビルーバ市を再現したミニチュア模型や民芸品ショップなどもあり、家族でクリスマスを楽しめる場所となっている。2013人には1万人が訪れ、今年はフェイスブックでの呼びかけもあり、より大勢の人が訪問するとみられているという。
(文/麻生雅人、写真/Suelen Cerbaro/PMG (12/12/2014))
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