リオデジャネイロのカーニバル団体が非公式カーニバルで抗議デモ。市政府の規制に反発
2015年 01月 3日1月3日(土)、リオデジャネイロの街ではカーニバルの雄叫びが鳴り響いた。
カーニバルを行ったのは、ブロコと呼ばれる路上のカーニバル団体(カーニバルの季節、特設会場で行われる有名な”リオのサンバカーニバル”だけでなく、リオの街中では数多くのブロコが行進する。このストリートのカーニバルは、市民に愛され続けてきた)。
「非公式カーニバルの開会」と名付けられたこのイベントは、ブロコに対する規制の多さに抗議を唱えるため、市の旧市街区(セントロ地区)にあるプラッサキンジで行われた。
広場では少なくとも7つのカーニバルのブロコが参加、数十名の参加者が打楽器を打ち鳴らしカーニバルを楽しんだ。
カーニバルのブロコのひとつ、ボイ・トロのメンバーで銀行員のルイス・オターヴィオ・アウメイダさんは、市民に愛されてきたイベントに対する(リオ市)政府の過度な干渉を批判した。
「カーニバルは市政府からルール上の過剰な干渉を受けて苦しくなっています。私たちはこの路上のカーニバルは、自然発生的に生まれ育ってきたものとして理解しています。人々が路上に出れば、それが、カーニバルだったのです。しかし現在、路上でカーニバルを行うためには6か月前から登録しなければなりません」(ルイス・オターヴィオ・アウメイダさん)
ルイスさんは、この規則は受け入れがたいと語る。
「我々ボイ・トロは公式に承認されることなく、許可も申請せず、私たちのカーニバルを行います。カーニバルのスピリットは、人々がお祭り騒ぎをするために通りにでて賑やかに楽しむことです。誰からの後見も必要ではありません。認可制度とカーニバルというのは相いれないこのです」(ルイス・オターヴィオ・アウメイダさん)
イベントの開催予告はSNS上のみで行われた。開催宣言では、近年大きく成長しているリオの路上のカーニバルが、現在は飲酒によるバカ騒ぎを規制する市政府による認可を必要としている立ち場を訴えた。
同宣言では、商業的な側面の保護が進んだり、開催時間や構成などの規制が進むと、自然発生的に生まれ育ち街で騒ぐという祭りの本質が脅かされるとも述べた。
路上のカーニバルのブロコのひとつ、タンボリン・センセーションも抗議のカーニバルに参加。ブロコの代表でシステム・アナリストのヒカルド・ブラエン代表も、このデモを擁護した。
「目的は、路上のカーニバルの本来の姿を取り戻すこと。私たちが望むのは、よりシンプルな姿です。ネクタイを外して4日間を楽しむ、ただそれだけです」(ヒカルド・ブラエン氏)
タンボリン・センセーションは、サンクリストヴァォン地区で、興味がある人が誰でも参加できるパーカッションのワークショップから、発展して生まれたブロコだ。サイト(www.tamborimsensacao.com.br)から参加申し込みができる。
また、タンボリン・センセーションとボイ・トロのほかにも、バトゥッキバト、フレーヴォ・プラット・ミステリオーゾ、ブロコ・ド・ホッキ、コルダォン・ド・プラッタ・プレッタ、ウニードス・ド・バッキ・ヴィラードといったブロコが参加した。
リオ市役所は以前に、数々のブロコが生まれ、何千人もの人がストリートに繰り出すようになったことから、路上のカーニバルのイベントをオーガナイズすること決定したと公表している。市によるとこれは、路上の清掃プログラムの強化をするだけでなく、基本的な安全対策や、交通の利便性、公道沿いの仮設トイレの設置 などの快適さの需要を受けての対策だとしている。
(記事提供/Agência Brasil、写真/Tomaz Silva/Agência Brasil)
写真は1月3日、リオデジャネイロ市。抗議デモカーニバルに参加したブロコのひとつ、タンボリンセンセーション