ブラジルの食糧パワー~最新大豆事情
2015年 07月 12日サンタカタリーナ州のサンフランシスコドスル(サンフランシスコドスウ)港の穀物港湾設備を運営するテルログ・ターミナル社を2011年11月に完全子会社化。穀物専用の港湾設備とは、トラックや鉄道で輸送されてきた穀物を一時保管するためのサイロ、サイロからバラ積み船の船倉に直接穀物を積み込むためのコンベアのことを指す。
この港湾設備を保有することで、ブラジル産大豆を円滑に市場に流し、消費地へのタイムリーな穀物輸送を可能とする優位性を確保。この優位性を最大限活用し、丸紅の2014年度のブラジル産穀物輸出数量は1,300万トンを超えるまでに至り、10年前の約30倍の規模となった。
加えて、ブラジル産コーンも、生産量、輸出量共に拡大している。2005年当時、既に4,170万トンを生産しつつも、畜産大国でもあるブラジルの飼料用内需が多く、輸出量は452万トンにとどまっていた。
それ以降、アジア新興国をはじめとした世界需要の高まりに乗じる形で、2014年度の生産量は8,000万トンに達し、輸出量も2,050万トンと世界輸出シェアの17.5% を占め、隣国アルゼンチンを凌ぎ世界二位の輸出国にまで登りつめた。その間には、裏作(冬作)コーンが表作(夏作)の生産量を上回るものとなり、ブラジルという農業大国の果てしない潜在力を感じさせる一面である。
今後もブラジル流儀のビジネスへのリスペクトをもちつつ、大きく広がるビジネスチャンスをつかんでいきたいと
考えている。
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(文/富倉昌弘、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会)、写真/APPA)
写真はパラナ州パラナグア港。コーンの輸出でも2番目の需要があったという