ブラジルで、エロ入道に教会に誘われた話
2015年 09月 12日ポルトガル語では「L」は「う」と発音することが多いです。
例えば、Salvarはサウバー(救う)、Abrilはアブリウ(四月)という具合です。
さて、ブラジルに来たばかりの頃、勤務先で知り合った28歳くらいの若者の話をしたいと思います。
彼は、会うたびに気さくに話しかけてくれて、ブラジル文化に関して色々と教えてくれました。ある時、彼は自分が通っている教会のことを話してくれました。
そのうちに、「君も是非ぼくの通う教会に来てみないか?」と誘われるようになりました。
最初のうちは、あまり気が向かなかったので断っていたのですが、諦めずに誘ってくれるので、何度も断るのは悪い気がして、ある日曜日に彼の教会に行ってみることにしました。
行ってみると、いつもポロシャツ姿の彼がパリッとスーツを来て、説教台の前で話を始めました。
後で聞いたところによると、彼は平日は普通に働きながらも、日曜日はボランティアで教会の説教をしているということでした。
すごいなあ、働き者だなあと感心してしまいました。
ところで、ウッカリしていたのですが、まだ彼の名前を聞いていませんでした。
「ごめん、いまさらだけど、名前を教えてもらってもいい?」
「ああ、まだ教えてなかったね。おれの名前はエロ入道さ」
「え? エロ入道!?」
「うん、こうやって書くのさ」
と書いてくれた紙を見ると、そこにはこのように書かれていました。
Eronildo
それから、数か月後に彼は転職してしまったので、あれ以来彼とはあっていません。とてもイイヤツでした。
(文/唐木真吾)
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