おいしいムケッカも食べられる「ボテコ コパカバーナ」開店

2015年 09月 17日

ボテコ コパカバーナ

パステウは、小麦粉を使った生地の中に、ひき肉やチーズなどさまざまな具を入れて揚げた、ブラジルでは日常的に食べられているスナック。青空市の屋台食としておなじみだが、ファストフード店、酒場やレストランのメニューでも取り入れられている。

そんなブラジルのソウルフードともいえるパステウひとつとっても、はじめて食べた日本人が、「ブラジルのスナックってこんなにおいしいんだ」と思えるように具作りの手間暇を惜しまない。

「パステウは具が命。具が少ないパステウは悲しいので、パステウそのものの大きさよりも、具をパンパンにすることをまずは心がけました。すると具が多いのにおいしくなければ飽きるので、必然的に具に凝らざるを得なくなりました(笑)」(ツダさん)

パステウの具でも、ツダさんが心がけるのはやはり、食材そのものが持つ魅力だ。

例えばパウミットと呼ばれる椰子の新芽を具に使ったパステウでも、様々な野菜やハーブと共に料理した具を中にたっぷりと詰めて、パウミットの魅力をきちんと伝えるための工夫が施されている。

「パウミットは、ブラジルではサラダとしても、スナックの具としてもおなじみの食材です。日本へは瓶詰の水煮の状態で輸入されることが多いので、サラダでそのまま出すと塩味や苦みが勝ってしまうこともあります。ある日本人の方が『パウミットは食べたことがあるけれどおいしくなかった』というのを聞いて、『そんなことない、パウミットはおいしいのに』と思ったのが、このレシピを作ったきっかけでした」(ツダさん)

ちなみに「ボテコ コパカバーナ」のパステウ、一口食べただけであるひと手間が加えられていることに気づく人がいるかもしれない。これは食べてからのお楽しみ。気づいたひとは直接ツダさんに話しかけてほしい。

ツダさんがこだわるのは料理だけではない。ブラジルの酒場に欠かせない飲み物カイピリーニャも、あくまで筆者の判断ではあるが、ブラジルの酒場に近い味で驚かされた(次ページへつづく)。

(写真・文/麻生雅人)