2015年 10月 20日 10:12
毎日新聞社の招聘により来日中のブラジルの元環境相マリーナ・シウヴァ(マリナ・シルバ)氏が、10月16日(金)、日本記者クラブで会見を行った。ポルトガル語の通訳は竹原ミチコ氏。
マリーナ氏は会見の冒頭で、さまざまな国際会議などで議論されている持続可能な開発を論じる前に、まずはじめに「何故に現在の開発モデルを変革しなければならなのか」と、「変革をするのであればどのよなモデルに変えるべきなのか」を考えることが大切だと述べた。
「それは、現在ある開発が、<持続不可能なモデル>だからです。現在、世界は文明の危機に瀕しており、この文明の危機には、経済危機、社会的危機、環境の危機、政治的危機、価値観の危機からなる5つのの国際的な危機を抱えているとマリーナ氏はいう。
<経済危機>では、経済危機への各国の対応の話題、<社会的危機>では、約70億の人口のうち約20億人が1日あたり2ドルで生活をしているという問題に言及。
<環境問題>については生物多様性の喪失、砂漠化などさまざまな問題がある中で、地球上の生命の危機をも脅かしている気候変動が、最も深刻な問題だと語った。
「気候変動の問題に対する取り組みによって人類がなんらかの効果を得ることができなかった場合、地球上の生命が危機に瀕するからです」(マリーナ・シウヴァ氏)
<政治的危機>については、現在我々が地球上で抱えているさまざまな問題に対処する力が、政治の中で弱まっていると述べた。
「今現在も、地球上のさまざまな場所で紛争が絶えません。このこと自体、政治的な力が弱まりつつあることを示しているといえるでしょう」(マリーナ・シウヴァ氏)
これらさまざまな危機の問題の基盤にあるのが<価値観の危機>だという。
「地球上で何百万年もかけて構築してきた価値観が、数十年の価値のために失われようとしています」(マリーナ・シウヴァ氏)
そして、これらの5つの危機からなる文明の危機は人類全体で取り組まなければならない問題であることを強調した(次ページへつづく)。
(写真・文/麻生雅人)
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