猛暑のブラジル中西部、中等学校では木陰で授業

2015年 10月 23日

木陰教室

ブラジル中西部ゴイアス州ゴイアニア市内の中等学校教師がユニークな授業方法を取り入れて話題になっていると、現地メディア「G1」(10月22日づけ)が報じている。

連日の猛暑に悩まされているゴイアニア市。先週の土曜日(10月17日)には同市の温度計は40.4℃を指し、1937年からの観測史上で最高値を記録した。

週に2~3回、教師のステラマリス・メンデス・ヂ・カンポスさんは、セトール・パルキ・アテネウにある市立マリア・アラウージョ・ヂ・フレイタス中等学校の4年生を集め教室を出て、木の下に連れて行く。

木陰では、9歳から10歳までの生徒たちが猛暑を逃れて勉強することができるのだという。ステラマリスさんは、約2ヶ月前からこのアイデアを思いつき、取り組みに向けて上層部からの承認をもらった。

「私たちの教室はとても暑く、室内温度は異常です。だからこの方法を思いつきました。子供たちは気に入っており非常に満足している様子です。我々は楽しさと便利さをかけ合わせることに成功しました」(ステラマリスさん)

またステラマリスさんは、避暑だけでなく、授業の一部として、新しい環境を活用する方法を作り出したと、記事は述べている。

「これは非常に面白い試みです。私はこの空間を利用して、生徒たちにさまざまなものを見せたり体験させることができます。例えば地理の授業では、太陽が昇り沈んでいく正確な方位を教えます。掛け算の九九を教えるために、リサイクルに関連するゲームをします」(ステラマリスさん)

ステラマリスさんによれば、子供たちはこの新しい勉強法を気に入り、他の教師も現在、同じような代替手段を使おうと学んでいるという。

「重要なことは、暑さに関係なく、子供たちの勉強を促進するために新たな方法を普及させることです」(ステラマリスさん)

40℃、エアコンなしの教室で勉強どころではなければ、路上に出る。路上に出たら、環境に適応したアイデアを教育に取り入れる。臨機応変に対処して、プラス思考で状況を改善してしまうという、ブラジル人が得意とする”しなやかな発想”こそが、この国を変えていくのかもしれない。

(文/柳田あや、写真/Arquivo pessoal via 「G1」)
ゴイアス州ゴイアニア市、屋外で授業を行うステラマリス酸のクラス