サンパウロ「ポルトガル語博物館」火災
2015年 12月 22日12月21日(月)、ブラジル、サンパウロ市における“セントラル・ステーション”ルース駅に隣接している「ポルトガル語博物館」で火災が発生した。
1901年に建てられた古い駅舎部分を利用して建てられた同博物館がオープンしたのは2006年3月。大通りを挟んで斜め向かいにはサンパウロ州立美術館(ピナコテッカ)もあり、市民に親しまれているだけでなく観光名所のひとつとしても人気の場所だった。
火災が発生したのは建物の2階部分で、同日の約16時ごろとのこと。火は瞬く間に2階から3階に達し、歴史ある建造物の屋根にまで達したという。現在は鎮火している。現地メディア「G1」(22日づけ)が伝えている。
この日は博物館の公休日である月曜日だったため閉館していた。サンパウロ市保護局のミウトン・ペルソリ調整官は、博物館の従業員は同局に対し、照明器具の交換作業を行おうとしたところショートして火災が発生した可能性があると報告しているという。
報告書によると、機材の交換は建物の3階で行われていたという。今後、発火原因は警察も交えて調査される。技術研究院(IPT)は22日未明に最初の調査を行ったという。
建物は3階建てで敷地面積は4300m2あった。火と煙は建物全体に影響を及ぼし、消防署によると、建造物は再建築の必要があるという。鎮火後、屋根の一部の落下の危険もあったため、隣接するルース駅のサンパウロ都市圏鉄道公社(CPTM)は22日の朝は運休した。
60以上の消防車、120名以上の消防士が鎮火作業に繰り出し、ルース駅への燃え広がりを防いだ。作業中に消防局員のホナウド・ペレイラさんが犠牲となった。
ジェラウド・アウキミン州知事は、「同博物館は、ブラジル人の心を象徴する場所。再建築します。早急に民間とも手を取り合い復旧措置にとりかかるでしょう」とコメントした。
(文/麻生雅人、写真/Bombeiros do Estado de São Paulo)