取締役が平社員に扮して現場に潜入!  ブラジルでテレビ番組「お忍び上司」が話題に

2015年 12月 24日

お忍び上司

ゴイアス工場では慣れない組み立て作業にてこずり、意地の悪い同僚に目を付けられることになった。

<マルコス・ジュニオール>に仕事を教えるシガーノさんは、まだ若いが優秀な組立工だ。ゴイアス工場最初の組立工で、5人の子供がいるという。子供の教育費をまかなうためにあらゆる仕事をしてお金をかき集めている。自分自身も高等教育を受けたいと思っているものの、子供の教育を優先しているため当分先になりそうだと言う。

その日シガーノさんは一日中、マルコス・ジュニオールへの意地悪な対応を取り続けた。組み立てが初めてだというマルコスに何の指示も与えず、とにかく組み立てろ、どのパーツが必要か自分で判断しろ、と無理難題を言い続けた。

ヴァウドさんはこの組立工程で必要なパーツが工場のあちこちに散在している非効率を身をもって体験した。

一つの製品を組み立てるのに必要なパーツはあらかじめセットにして組立場所の近くに置くようオペレーションを変える必要があると感じた。

翌日、マルコス・ジュニオールはリオデジャネイロに飛んだ。マラカナン球場の発電機のメンテナンスを行うユーリさんの下で保守サービス業務にあたった。発電設備のあるスペースは熱がこもり、暑さとの戦いだった(次ページへつづく)。

(文/余田庸子、写真/Reprodução/「Fantástico!」/TV Globo)
写真はTVグローボ「ファンタスチコ!」の「お忍び上司」より。TVグローボの番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで