ブラジルの復活祭(パスコア)商戦、新しいフェーズに突入
2016年 03月 22日3月27日、ブラジルでも復活祭(イースター)を迎える。ブラジルでは「パスコア」と呼ばれるこの日を祝う席に欠かせないのが卵型チョコレート。
毎年この時期にはこの卵型チョコをめぐるパスコア商戦が繰り広げられるが、長引く経済の低迷が関連業界の勢力地図に変化をもたらしているようだ。
TVグローボの系列局「へヂ・バイーア」が3月18日づけで伝えたところによると、パスコアまで10日弱というのに、今年(2016年)は大手菓子メーカーが販売する卵型チョコの売れ行きが芳しくないという。
大手菓子メーカーが用意している卵型チョコの最多価格帯は60~70レアル(約2000円~2400円)。消費者は値段を見ながら商品の買い時を探っている。
パスコア商戦用にスーパーなどで用意された卵型チョコの陳列コーナーは今のところ人通りも少なく、通った客は一言『高い』とつぶやく。
とはいえ、パスコアに卵はつきもので、各家庭での需要は高い。
そこに目を付けたのは個人経営のお菓子屋さんやパン屋さんたち。パスコアに向けたオリジナル商品を投入している。
こちらの最多価格帯は25~30レアル(約830~1000円)と、大手菓子メーカーの半値以下のため、人気を集めつつある。それより低い価格帯の商品も用意して幅広い顧客の目を引いているという。
バイーア市内のアイスクリーム店では、パスコア用に『卵型サンデー』を売り出した。半分に切った卵型チョコを器代わりにし、そこに2種類の好みのアイスを載せて楽しめる商品だ。
不況の中でも値段が正当であれば売れる、とにらんで手づくりのグルメ卵型チョコを売り出したのは学生のロレーナ・ヒッシオさん。
半分の卵型チョコにパッションフルーツやヘーゼルナッツ味のクリーム、ホワイトチョコ、ブリガデイロ(ブラジルの伝統的なチョコレート菓子)味のクリームを詰めてものだ。値段は35レアル(約1150円)。
「伝統的に私たちが消費してきた卵型チョコは高すぎます。消費者は今、もっと手ごろで自分の好みにあったものを探しています。それらの要望に応えられていることがこの商売が成功している要因だと思います」(ロレーナ・ヒッシオさん)
(文/余田庸子、写真/Rede Bahia/TV Globo/Reprodução)
写真は新商品の卵型アイス(オーヴォ・ヂ・ソルヴェッチ)。ヘヂ・バイーアより。TVグローボのニュース番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴のお問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで)