ブラジルの歴史を物語るビーチリゾート、イタマラカ島

2016年 05月 5日

イタマラカ島

インディオの言葉で、「歌う石」という意味を持つ、イタマラカ島はレシフェ(ヘシーフィ)の北45kmの場所にあるレシフェ近郊の有名なビーチリゾートです。

日本ではあまり知られていない場所かもしれませんが、このイタマラカ島は、リゾート地というだけでなく、ブラジルの歴史を語る上で重要な場所でもあります。

ポルトガルの植民地だったブラジルですが、1630年にオランダの侵攻を受け、この島があるペルナンブーコは1654年までの間、オランダに支配されています。

島の南部には、オレンジ要塞(Forte Orange)という歴史的建造物があります。この要塞は、1631年に建設され、オランダ皇太子であるフレデリコ・ヘンリケ・デ・オランジ(Frederico Henrique de Orange)に敬意を表してオレンジ要塞という名前が付けられました。なお、オランジ皇太子はオランダ領ブラジル総督であったジョン・マウリシオ・ジ・ナッサウ伯爵(João Maurício de Nassau)の叔父にあたる人です。

当時、要塞には21本の大砲があり、刑務所としても使われていました。2016年3月現在においては一部修復作業中ですが、無料で中に入って見学することができます。

(文/唐木真吾、写真/Zé Carlos Barretta/Flickr)

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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