リオ五輪サッカーブラジル男子、2戦目もスコアレスドロー。大丈夫かブラジル!?

2016年 08月 9日

ネイマール イラク ブラジル オリンピック

現地時間8月7日(日)、ブラジルと日本のサッカーグループリーグ2戦目がまったく同じ時刻(日本時間午前10:00)に行われた。

ブラジルの対戦相手はイラクで試合会場はブラジリアのマネー・ガヒンシャ・スタジアム。そして日本の相手はコロンビアだった。

ブラジルの先発メンバーは、前試合の南アフリカ戦とまったく同じだった。

ゲームは、序盤からブラジルが支配し、シュートまではいくのだが、一向にゴールが決まらない。そんな中、イラクは少ないチャンスを活かしながら、惜しいシュートまで持ち込んだりしており、冷や汗も何度かかく羽目になった。

しかし、圧倒的に攻めるのはブラジルだ。

今回のオリンピック、メンバーが発表され、ネイマールにWガブリエウが選ばれ、これはおもしろくなるな、と思った。そして、7月末の日本との親善試合でその美しく楽しいサッカーが実現し、期待できることを確信した。

しかし、本番のオリンピックが始まった途端に、その鳴りは潜めてしまっている。

絶対に決められるようなシュートもことごとく外したりしている。特に、3トップの真ん中のガブリエウ・ジェズスは、シュートシーンも多いのだが、前試合に続き、決定的なシュートを外したりしていた。

ブラジルの選手たちは、最初から悲壮感が漂いすぎているように感じた。

初戦で格下相手に誰もが驚くようなスコアレスドローで終わり、ブラジル国民を失望させてしまったことが、選手たちの動きをぎこちなくしているのだろう。

絶対に勝たなければならない、という思いが、時間は山のようにある前半早い時間から焦燥感に駆られるような動きになっているようだ。

観客も、試合の途中から、応援しなければならない自国であるブラジルに対してブーイングを始めた。また、ヘナト・アウグストがボールを持つたびに大ブーイングが起こっていた。

先発メンバーは、前試合と同じなのだが、ちょっと気になったのが、右SBゼッカのポジショニングだ。

右SBのはずだが、やけに前線に上がり、それも最右翼に構えるのならわかるのだが、かなり内側に入っていた。そのとき、本来の右SBの位置にはヘナト・アウグストがカバーしたりしていたので、この2人でポジションを入れ替えることにしていたのかもしれない。それが特に悪いとは思わないが、このゼッカのポジショニングはかなり奇異に見えた。

ブラジルは最後まで攻め続けたが、攻め急ぎすぎている感じがした。後半のロスタイムは7分あったが、結局ゴールを決めることはできず、2戦連続でスコアレスドローに終わってしまった。

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チャンスといえば、ネイマールのいい位置でのFKも2回あったが、いずれも相手の壁に阻まれた。世界的名プレーヤーであるネイマールには、これくらい決めてほしかったというのが正直なところだが、ネイマールも地元開催かつキャプテンとして相当なプレッシャーを受けているのだろう。

24歳にして世界的スターのネイマールにとって、本当に試練だと思う。今のチーム状況からすると、決して簡単なことではないが、1点でも決めることができれば、重圧から逃れられることができるのではないだろうか。

ブラジル人は本当にメンタルが弱い。その点はとても不安材料なのだが、次の試合は少しリラックスして、平常心で臨んでほしい。

こういうときには、百戦錬磨のベテランの力を借りたいところなのだが、なんとかネイマールを中心にまとまって、これぞブラジルという力をみせてほしいものである。そして、何としても決勝トーナメントを決めてほしいと思う。

(文/コウトク、写真/André Borges/Agência Brasília)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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