シャペコエンセ、悲しみを乗り越えて日本で浦和レッズと対戦!

2017年 08月 7日

スルガカップ シャコぺ

南米のカップ戦といえば、優勝チームがクラブW杯に出場するリベルタドーレス杯だが、それに準じる大会がコパ・スウ・アメリカーナだ。ヨーロッパにおける、UEFAチャンピオンズリーグに対するUEFAヨーロッパリーグのような位置付けだ。

コパ・スウ・アメリカーナの優勝チームは、翌年日本で、日本のルヴァンカップ(旧ナビスコカップ)の優勝チームと、スルガ銀行チャンピオンシップという名称で対戦している。

昨年(2016年)11月、コパ・スウ・アメリカーナの決勝戦を行うため、ブラジルのシャペコエンセのチーム関係者を乗せた飛行機がコロンビア上空で墜落した事故は世界中のサッカー関係者を大きな悲しみに包み込んだ。

結局、そんな状況下ではコパ・スウ・アメリカーナの決勝戦を行うことはできず、相手チームであるアトレチコ・ナシオナル(コロンビア)の配慮もあり、シャペコエンセが優勝チームと認定された。

そして、シャペコエンセは、コパ・スウ・アメリカーナの優勝チームとして、今月15日にスルガ銀行チャンピオンシップを戦うために来日し、昨年のルヴァンカップの覇者である浦和レッズと対戦する。

シャコピエンシ

今年度、シャペコエンセは、監督にワグネル・マンシーニ、また、FWのウェリントン・パウリスタなど有力選手を迎え入れ新生チームとして始動した。1~5月に行われたサンタカタリーナ州選手権で優勝を飾り、素晴らしい再出発を果たしている。

しかし、5月から始まったブラジル1部リーグでは、強豪コリンチャンスとの開幕戦を引き分け第2節から3連勝を飾り素晴らしい滑り出しだったが、その後チームは低迷し、監督のワグネル・マンシーニは解任されてしまった。そして現在、8月6日の第19節終了時点で全20チーム中16位という降格圏(17~20位は自動降格)一歩手前という成績に甘んじている。

ブラジルでは少しでもチームの成績が悪いと監督の解任は日常茶飯事なので、ワグネル・マンシー二の解雇も驚くべきことではないのかもしれない。現に、今季、サントスのドリヴァウ・ジュニオールをはじめ、20年以上にわたりサンパウロ一筋で活躍し2015年シーズンを最後に現役を引退し満を持して今シーズンからサンパウロの監督になったチームのレジェンド、ホジェリオ・セニですら就任から半年程度で解任されている

ワグネル・マンシーニは日本でのプレー経験もあり、現アルビレックス新潟の監督である呂比須ワグナーとも縁があるし、個人的にも好きな監督なので、ぜひシャペコエンセを率いて来日してほしかった。

メッシ

そんなシャペコエンセだが、8月6日のブラジルリーグの試合の後、8月7日にはバルセロナのホームスタジアムカンプノウでバルセロナと戦い、8月15日に埼玉スタジアムで浦和レッズと対戦する。

一方、対戦相手の浦和レッズは最近調子を崩しているとはいえ、日本でも有数の強豪チームである。シャペコエンセにとっても、決して楽に勝てる相手ではない。長い移動距離もあるし、正直、厳しい戦いになるだろう。そして、当然のことだが、タイトルが掛った試合なので、両者真剣勝負になるはずだ。

悲しみを乗り越えつつあるシャペコエンセの面々を、ぜひ日本ならではのホスピタリティー精神で迎えたいと思う。スタジアムでは、浦和レッズのサポーター、そしてブラジルをはじめとした世界のサッカーを愛する人々に暖かく迎えていただき、真剣勝負の素晴らしい試合をみせてほしいと切に願う。

スルガ銀行チャンピオンシップ2017 SAITAMA
JリーグYBCルヴァンカップ/コパ・スダメリカーナ 王者決定戦

<試合日時 / Data e Horário da Partida>

2017年8月15日(火) 19:00キックオフ予定/16:00 開場予定
15 de agosto de 2017 (terça-feira), início às 19h00 (estimado) /
Abertura dos portoes as 16h00(estimado)

<試合会場 / Local da Partida>
埼玉スタジアム2002
Estádio Saitama 2002

 

 

(文/コウトク、ポスター画像提供/日本サッカー協会、写真上/Sirli Freitas、写真下/)
写真上は8月6日、コリチーバ対シャペコエンシ。写真下は8月7日、バルセロナにてメッシらと記念撮影を行ったシャペコエンシのメンバー

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

コラムの記事一覧へ