日本のスポーツスタジアム環境を変えるお手本になる!? ブラジルのスタジアム最新事情
2017年 11月 26日(1)アレーナ・フォンチノーヴァの2種類のVIPエリア
日本のサッカースタジアムのVIPエリアは、スポンサー企業の人など限られた人たちだけが利用出来る場合が多い。
しかしブラジル北東部の街サルバドールに本拠地を構えるECバイーアのスタジアム「フォンチ・ノーヴァ」には、そんな日本式VIP席とは違った取り組みがある。
フォンチ・ノーヴァと言えば、2016年のリオ五輪で日本vsスウェーデンの試合が行われた会場と言えば頭に思い浮かぶ方もいるのではないだろうか。このスタジアムは、試合自体は日本が1-0で勝ったものの、グループリーグでの敗退が決まってしまった場所だ。
このフォンチ・ノーヴァには、VIP席が2種類ある。スポンサーや政界の要人などを迎えるいわゆるVIP席と、サポーターがお金を払う事で入場出来る、通称「ラウンジ」と呼ばれるサポーター用VIP席だ。
フォンチ・ノーヴァでの試合のチケット料金は試合の重要度などでも多少の変化はあるが、一般的な例でいえば日本円にしてゴール裏で700円、真横からだと2000円程度。VIP席ラウンジのチケット料は約5000程度だ。
スタジアムのVIP席といえば、日本では、ピッチから近いなど試合の見やすさを売りにした席を思い浮かべるが、フォンチ・ノーヴァのラウンジ席は、勿論、ピッチが見易い位置にあるのだが、それだけではなく、席から離れたスタジアムの裏側に工夫があるのだ。
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(文/平安山良太、写真/Paulo Pinto/Fotos Públicas)