2018年 05月 6日 13:22
ブラジリカグリルのベレン料理コースメニューは「パウミットのサラダ」からスタートする。
パウミットとはパウメイラ(椰子の木)の新芽の部分で、低カロリーかつ食物繊維が豊富なので近年は健康食品としても注目されている。
パウミット自体は広くブラジル中で食べられているお馴染みの食材だが、ベレンではご当地産のアサイー椰子やププーニャ椰子などの新芽が使われることが多い。ブラジリカグリルのメニューでは、マンゴーと、ブラジル産の醤油SAKURA SHOYUを使ったオリジナルソースを和えて提供される。
続くもうひとつのアンティパストは、ベレン名物のひとつ「タカカー」と「ブラジル風カニのコロッケ」のセット。
先住民の食文化が今も息づくベレン料理は、マンジョッカ芋(キャッサバ芋)をさまざまな形で利用するのも特徴のひとつだ。中でも、マンジョッカ芋(キャッサバ芋)の絞り汁を発酵させて作る酸味のある調味スープ、トゥクピーを使った料理はこの地方ならではの味。
マンジョッカ芋(キャッサバ芋)のでんぷんでトとろみをつけたトゥクピーに、干しえびや、地元名物の辛味野菜ジャンブーを入れた汁物料理「タカカー」は、ベレンでは屋台で日常的に食べられているソウルフード。ジャンブーには麻酔性、刺激性を持つ成分が含まれており、食べると口の中が軽く痺れるのが特徴。ベレンを訪れた旅行者にも人気の一皿だ。
ブラジリカグリルでは、今回のメニューのために、マンジョッカ芋とジャンブーをベレンから直輸入している。
トゥクピーとセットで出てくるのが「ウーニャ・ヂ・カランケージョ(カニの爪つき一口サイズコロッケ)」。ベレンで最も親しまれている軽食のひとつだ。
ブラジルではコシーニャと呼ばれる、裂いた鶏肉を具にした一口サイズのコロッケが有名で、カフェや居酒屋からバスターミナルの軽食スタンドなど、街のいたるところでお目にかかることができる。ウーニャ・ヂ・カランケージョは、いわばベレン版コシーニャともいえそうだ。
(次ページへつづく)
(文/麻生雅人、写真提供/ブラジリカグリル)
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