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「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」展が開会

先住民の椅子

Bの宗教的な儀式などで使われる椅子の多くは鳥類など動物をモチーフにした造詣が多いが、椅子としての機能を果たすように座面は平になっているものが多い。

人間が住む世界と精霊が住む世界を繋ぐ存在と考えられているシャーマンが、祭事の際に腰掛けるための椅子もある。展覧会場で紹介されている映像には、椅子に腰かけたシャーマンの周りを、部族の者たちが踊ったり歌ったりしてシャーマンをトランス状態に誘う様子も映っている。

Cの動物彫刻の椅子は、自分たちならではの表現や想像力を広く知ってもらうためのメディアにもなりうるアートとしての椅子、いわば作品たちだ。

先住民の椅子

この動物彫刻の椅子の造形に関しては、同展覧会の主催者でもある東京都庭園美術館の樋田豊次郎館長は、北欧のスカンジナビア・デザインにも通じる線を感じたという。

「材料の良さを生かしながらシャープな線を持ち込むという特色で1950年代から一気に世界に広がった北欧のスカンジナビア・デザインが持っていた“線”を感じました。可愛いとか楽しいだけでは説明しきれない、絶対的な造形の強さが隠れているような気がしました」(樋田豊次郎館長)

それゆえ、先住民のアートというと思い浮かべがちな文化人類学的な視点や、先住民のものづくりに対する思い込みなどを、この椅子たちは、超越した存在だと感じたという。

先住民の椅子

「この種の造形物はこれまで文化人類学の対象として見られてきました。文化人類学というのは、先進国側の人が、自分たちよりも遅れて近代化をしている地域や国へ行って、その人たちが一体どういう考え方で今、生きているかを探ろうとしました。そのことによって、特に西洋の人は、自分たちの文化が行き詰っているので、あえて原点の生活や生き方を見ることによって、自分たちの文化をもう一度活性化しようという、そういう趣旨が文化人類学にはあったと思います。しかし、そういう趣旨だけではどうも説明しきれないものが、この動物たちにはあるんじゃないかと思います」(樋田豊次郎館長)

「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」は6月30日(土)~9月17日(祝・月)まで東京都庭園美術館にて開催。

開館時間:10:00 ~ 18:00(入館は閉館の30分前まで)
     ※7月20日 ~ 8月31日までの毎週金曜日は夜21:00まで開館(入館は20:30まで)
休館日:第2・第4水曜日(7月11日、7月25日、8月8日、8月22日、9月12日)
会場:東京都庭園美術館 本館+新館ギャラリー1
アクセス:東京都港区白金台5–21–9
     [目黒駅]JR 山手線東口/東急目黒線正面口より徒歩7分
     [白金台駅]都営三田線/東京メトロ南北線1 番出口より徒歩6分
入館料:一般1,200(960)円 / 大学生(専修・各種専門学校含む)960(760)円 / 中・高校生600(480)円 / 65歳以上600(480)円 ※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。
美術館HPはhttps://www.teien-art-museum.ne.jp/。

(写真・文/麻生雅人)

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