【コラム】BPMが加速中! 近年のファンキ事情
2018年 10月 19日“目がブラジル”の皆さん、秋ですね。REI CAPOEIRAPです。
今回は、リオデジャネイロで発展して今や各地にも広がりを見せているバイリ・ファンキのお話です。
原稿を進める前に、まずは、9月9日にこの世を去った、筆者にとってキング・オブ・ファンキであるMr.カトラに謹んで哀悼の意を表します。
さて、近年、ファンキのBPMが、近年、どんどん加速しているのです。
BPMとはBeats Per Minute、1分間の拍数です。ポル語でも同じくBatidas Por Minutoと呼ばれています。
ファンキと云えば、ズンチャッチャズンチャなリズムにMCが色々あけすけなメッセージを叫んでいる中、女の子が腰を振り踊っているイメージだと思います。
その通りのイメージですが、昨年から目立ち始めた新しいムーブメントで、従来BPM130前後だったビートを150に上げ、さらに踊りまくることができるファンキがあります。もちろん早回しではなく、始めから150BPM仕様に作られているんです。
DJ ポリヴォックスが2リットルのコカコーラのペットボトルで叩いた音をサンプリングしてビートメイクする様子がYoutubeに上がっています。
BPM150のファンキは”Ritmo Louco(ヒッチモ・ロウコ)”や”Putaria Acelerada(プタリーア・アセレラーダ)”とも呼ばれ、Youtubeやサウンドクラウドで次々と発表されていきました。その勢いは、今やブラジルのお茶の間にまで波及しています。
サンパウロ発のファンキMCエミエミfeat DJエヒデーの「Só Quer Vrau(ソ・ケル・ヴラウ)」は、リズムがどんどん疾走していきます。”Senta Aqui(センタ・アキ)”って連呼するもんだから、どっかの洗濯機のCMにハマりそうな一曲です。
ファンキ・カリオカのネゴ・ド・ボレウ「ミ・ソウタ」のように曲のアタマから疾走感のある楽曲は、ミュージックビデオも刺激的です。
そんな中、僕REI CAPOEIRAPもサウンド面で速いファンキカリオカのリズムを意識した新曲”ARCO-ÍRIS(アルコイリス)”をリリースしました。
“ARCO-ÍRIS(アルコイリス)”、日本語で”虹”。激しい嵐と雨、その後の優しく淡い虹のイメージを音で表現してみました。ちなみに、カポエイラの蹴り技でも”ARCO-ÍRIS”という大技があります。
ブラジルのファンキとオランダのユーフォリック・ハードスタイル、二つの異なる音楽ジャンルを150BPMでミックスさせてサンバの匂いも加え完成したハイブリッドな新しい音楽です。ぜひ、聴いてみてください
(https://open.spotify.com/album/7c0SZVt6oUpNlKJlvPjBTk にもアップしています)!
そして今後も、めまぐるしく変化していくブラジルのファンキのシーンからは目が離せません。
(文/REI CAPOEIRAP、画像/reprodução)