いよいよ開幕、州選手権。そして2019年のブラジルサッカー スケジュールは…?

2019年 01月 19日

カンピオナートカリオカ 2019

ワールドカップイヤーの2018年が終わり、2019年が始まった。

年明け早々、アジアでは、アジア王者を決める4年に一度の大会、アジアカップが既に始まっており、日本代表も激しい戦いを繰り広げている。

今年の日本のサッカー界では、アジアカップの日程により、通常元旦に行われている天皇杯の決勝も12月中に前倒され、かなりイレギュラーなスケジュールを強いられている。

しかし、ブラジルサッカーは、通常通りのスタートを切る。

1月19日(土)、20日(日)から、ブラジル全土の各州で、州選手権が始まる。

強豪チームが集まるのは、サンパウロ州(カンピオナート・パウリスタ)、リオデジャネイロ州(カンピオナート・カリオカ)、ミナスジェライス州(カンピオナート・ミネイロ)、そしてリオグランジドスウ州(カンピオナート・ガウーショ)だが、それ以外でもほとんどすべての州で大会が行われるのだ。州ごとの大会が行われるのは、世界中でも非常に珍しいと思う。

リーグ戦は、二つの時期に分け、州選手権(通常1月中旬~5月上旬)と全国選手権(5月中旬~12月上旬)が行われる。

ブラジル全土に、サッカークラブはそれこそ無限に近い数があるので、いくら全国選手権のカテゴリーが1部(セリエA)から4部(セリエD)まであるとはいえ、とても網羅できない。

ということで、各州の選手権が大きな地位を占めているのだ。州選手権にしか参加していないチームも山ほどある。

そんな州選手権だが、例年と違うのは、4月下旬(4月21日が決勝)で終わる日程にしていることだ。

通常は、5月上旬に決勝が行われる。ブラジル中あらゆる場所で決勝戦が行われるので、ブラジル中がもっとも熱狂に包まれる日になる。

このイレギュラーなスケジュールは、自国開催されるコパブラジルが影響しているのではないかと思われる。

まだブラジル全国選手権(「ブラジレイラォン」と呼ばれる)の日程は発表されていないようだが、州選手権が終了する翌週の4月下旬から行われるだろう。

そんな二つのリーグ戦のスケジュールの合間を縫って、カップ戦(リベルタドーレス杯、コパスウアメリカーナ、ブラジル杯)が行われる。

そんなカップ戦の、南米で最も権威ある大会、リベルタドーレス杯も、もうすぐ始まる。

予備予選が、1月22日からで、本戦のグループリーグは3月5日~5月9日まで。その後、決勝トーナメントが行われ、決勝は、クラブW杯の数週間前の11月23日に行われることが決まっている。

クラブチームの大会スケジュールはそんな感じだが、ブラジルサッカーにおいて今年最大のイベントは、何といってもコパアメリカだろう。

これは、アジアにおけるアジアカップのように大陸王者を決める国による戦いで、今年6月14日~7月7日まで、ブラジルで自国開催される。

コパアメリカもワールドカップやアジアカップと同様、基本的に4年に一度行われる。

ただし、基本的に、と述べたのには理由がある。

前々回の大会が2015年に開催されたが、その翌年の2016年にも開催されたからだ。

2016年は、コパアメリカの第1回大会が開催されてから100周年に当たり、CONMEBOL(南米サッカー連盟)だけでなくCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)とも共催という形を取り、コパアメリカセンテナリオという名称で、北中米カリブ海地区の6チームも含めた全16チームで大会を開いたのだ。

ブラジルが、南米屈指の強豪と言われていたのは遠い昔の話かもしれない。

ここ最近、コパアメリカの成績はまったく芳しくない。

2007年のベネズエラ大会を最後に優勝から遠ざかっている。

その次の2011年アルゼンチン大会、2015年チリ大会では準々決勝で敗退、前回の2016年のアメリカにおけるセンテナリオ大会ではなんとグループリーグで敗退している。

今回は、自国開催ということもあり、何としても優勝が求められることだろう。

準々決勝でベルギーに敗れ8強止まりで終わったワールドカップだったが、監督のチチは解任されず、現在でもブラジル代表を率いている。

ワールドカップ後の親善試合では、よい結果が得られているようだ。6戦6勝ですべての試合を無失点で終えている。

そして、なんと、今年のコパアメリカ ブラジル大会には、招待国の一つとして日本代表も参加することが決まっているのだ。これは、本当に楽しみである。

日本は2011年大会にも招待されていたが、東日本大震災の影響で、残念ながら辞退している。

今大会における日本代表は招待参加ということなので、FIFAによる各クラブへの選手派遣の強制力は効かないが、ぜひともベストに近い布陣で臨んでほしい。

ともあれ、今年も、ブラジルサッカーを存分に楽しみたいと思う。本コラムを今年もよろしくお願いします。

(文/コウトク、写真/LUCAS MERÇON / FLUMINENSE F.C.)
写真は1月18日、リオデジャネイロのマラカナンスタジアムで行われたカンピオナート・カリオカ2019の開幕式

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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