カテゴリ : エンターテインメント ファッション
2019年 02月 17日 13:28
渋谷区恵比寿にあるギャラリーで、ブラジルのぺルナンブッコ州ヘシーフィのアーティスト、ペドロ・ネコイの作品展が開催中だ。
これまでインタビューで好きなアーティストとして、ダリや、草間彌生、横尾忠則、リチャード・ハミルトンなどの名を挙げているペドロ・ネコイは、雑誌や広告の図版、動物の写真などを素材に製作するコラージュ作品を得意とする作家だ。
今回の展示では、日本の古書店で蒐集したという雑誌の図版などを使って制作した作品を発表している。
現実の世界にあふれているありふれたビジュアルと非日常的なビジュアルを独自の視点で編集して構築されるペドロ・ネコイの作品は、作品に接した人を瞬時にペドロ・ネコイの作り上げた宇宙空間へと誘う。そしてこの宇宙空間は、なんとも甘美で、居心地がいい。切り貼りで作られるコラージュの世界でありながら、そこが「混沌」とした世界ではなく、ある種の秩序に保たれた美しさを放つ世界だからだろう。
レトロなゲイ向けのポルノ雑誌のビジュアルに登場する、太い口髭や毛深い胸毛をアピールしながらレザーのブーツや帽子に身を包んだ男性。80~90年代の雑誌に登場する日本の女性。60年代風の西洋の女性のビジュアル。動物たち。宝石…。
選ばれた素材は、国境や種族、時間軸などあらゆる境界を超越したものだが、その雑多なビジュアルを、ペドロ・ネコイは<架空のバブルの世界>の中に放り込むことで、ひとつの世界にまとめあげている。それは、現在の日本からは想像もつかないような、そして母国でも経験したことのない好景気のイメージへの憧れを、イマジネーションを駆使しで描き出したものだという。
ペドロ・ネコイ作品展「MUNDOS・世界」はギャラリー「OVER THE BORDER」(渋谷区恵比寿南1-3-6 CIビル4F 12:00~20:00)にて開催中。3月17日(日)まで。入場無料。
(写真・文/麻生雅人)
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