ヴィック・ムニーズがシャンパーニュ「ルイナール」とコラボアートを発表
2019年 03月 27日
廃材を再利用したアート作品などで世界的に有名なブラジル出身の芸術家ヴィック・ムニースさんが、世界最古のシャンパーニュ・メゾンといわれる「ルイナール」のアートプロジェクトに招へいされて、ブドウ畑にインスパイアされたビジュアル作品を製作しました。
この作品は4月13日(土)から京都で開催される「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019」の会場で一般公開される予定です。
1729年に創設され、290年の歴史を持つというシャンパーニュ・メゾン「ルイナール」は、1896年のベル・エポックの時代にアール・ヌーヴォーの旗手と謳われたアルフォンス・ミュシャに広告を依頼して世間を魅了したことに始まり、長年にわたりアートと深いかかわりを持ち続けてきました。
近年は、メゾンに招へいされた現代美術作家をが一定期間メゾンに滞在して作品の制作を行う「アーティスト・イン・レジデンス」というプログラムを毎年開催しており、このプログラムには、これまでにオランダ出身の写真家アーウィン・オラフ、北京出身のリウ・ボーリンなどが参加しています。
プログラムに本年度、招待されたのは、 映画「ヴィック・ムニーズ / ごみアートの奇跡」でも知られるヴィック・ムニーズさんです。ブラジルを代表する現代アート作家のひとりとして知られるヴィック・ムニーズさんの作品は、現在、東京・青山にあります駐日ブラジル大使館でも壁面を飾るウォールアートでもみることができます。
今回のプロジェクトを通して、ランス山沿い、ヨーロッパ最北に位置するルイナールのブドウ畑があるシルリーを訪れて、シャンパーニュ地方の気候が実はブドウ栽培に不向きと言えるほど厳しい環境であることを知って驚いたヴィック・ムニーズさんは「この逆境があるからこそ、ブドウ自らが超越して、まるで生存への反射行為であるかのように、シャルドネとピノ・ノワールは最高の果実をもたらしてくれる」と語っています。
同地の自然の美しさやルイナールの製造工程に魅せられたヴィック・ムニーズさんは、 黒く染めた木片や木炭を使用してブドウの株を表現するなど、メゾンの最高醸造責任者であるフレデリック・パナイオティスさんがシャンパーニュ造りの中で体現している<人と自然の結びつき>を「流れ」という概念 で捉え、作品作りに生かしているとのことです。
ヴィック・ムニーズさんがルイナールとのコラボレーションで制作した作品は、3月13日にメゾンの本拠地があるランス、14日にパリにて披露されています。日本では「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019」にて初公開されます。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019
「RUINART-SHARED ROOTS-VIK MUNIZ」 展示会場
会場:ASPHODEL(アスフォデル)
(京都市東山区八坂新地末吉町99-10)
展示期間:4月13日(土)~5月12日(日)
(文/麻生雅人、写真提供/MHDモエ・ヘネシー・ディアジオ)